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短編1
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起こしにきた

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田舎の古い宿に泊まった時の事。

海が近くにあるかなり古いその宿は、飯も美味くて女将さんもとても良い人で、中々に居心地の良い所であった。

夜は波の音が聞こえ、布団で横になっていた私は気がつくとそのまま眠ってしまった。

「……きてぇ!起きてぇ!朝だよ!」

誰かが私の体に乗ってそんな事を言っている。

「ねぇ!起きて!朝、朝!遊ぼうよぉ!」

女将さんの子供が起こしにきたのかとそう思った。昨日はそんな子供見かけなかったけどなぁ、と考えながら

「わかったわかった…、起きるから暴れないで…」

体を起こして目を開けると誰もいなかった。

えっ、と思っているとお腹の上に何かあり、それを見てサーっと血の気が引いた。

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それは小さな日本人形だった。

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