高校一年生の夏、俺は友人に誘われて、あるSMSのオカルトグループに参加した。
友人のSMS内のニックネームはファーム@牧場、相変わらず残念なネーミングセンスだ…
ある日、ファームと、地元で落ち合うことになった。
5分遅れてファームはやって来た。
ファームの後ろには人形の様な可愛い女の子が付いてきていた。
「遅い!」
と言いながら、ファームの頭を小突く
「ごめんちょ!」
ファームから女の子の説明はなかったが、妹が居ると言うようなことは聞いていたので、妹だということにする。
女の子は涙目だった、喧嘩でもしたのだろうか?
だが気にしない。
そこからはウィンドゥショッピングをしたりとぶらりぶらぶら、のらりくらりとしていたのだが、そこでふとファームが
「そうや」
と思い出したかのように呟く。
続けて
「昨日面白いことがあったんや」
と言った。
俺は彼の話に耳を傾ける。
「昨日妹と喧嘩してさ、腹立ったから妹の人形を捨てたんよ、リカちゃん人形みたいな奴」
ヒデェと合いの手を入れるが、俺も人のことは言えないな、と自嘲気味に苦笑する。
「その日の夕方、妹は遊びに行って、母さんは買い物行っとったから、一人でテレビ見とったんよ、じゃあ、電話かかってきて出たら、《私リカちゃん今大阪駅にいるの》ってな」
俺は吹いた。
「それってメリーさんの電話ってやつ?
笑えねー」
言いながら大爆笑をする。
ファームの後ろの女の子は頬を膨らませている。
可愛いな。
「まあ聞けや、そっから段々おる場所が近くなるわけよ三宮、長田みたいに
でも、その辺から面倒くさくなったから、無視したんよじゃあ、今度メールが来てな」
また吹いてしまった。
「メリーさんがメール?!」
なんでもありだな、こいつの話は
「いや、マジやって!」
とファームは言う
携帯を突きつけてきたが、捏造できるだろと言ってやると、そうやなとファームは携帯をしまう。
「まあ、悪戯やろから無視っとるけどな」
ふと、俺は思い至る。
メリーさんの最後は…
「お前さー、後ろ振り向いたん?」
ファームはうぁ?というと
「俺は過去は振り向かない男だからな」
とドヤ顔で言う
本気で言っているのだからタチが悪い。
メリー談話も程々に、俺は気になっていたことを聞いてみる。
「お前の妹なんで付いてきとるん?」
ファームは露骨に変な顔をする。
「妹今親と買い物」
作者慢心亮
今回は怖い話ではなかったですが、如何でしたでしょうか?
メリーさんの電話と言えば、昔本で読んでトラウマになった覚えがあります。
文体の修行をしつつ投稿したいと思うので、これからも生暖かい目で見守ってやってください