つい先日、友人から電話が掛かって来た。
時刻は確か・・・午後の九時頃だっただろうか。
僕はモソモソと炬燵から這い出した。
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「あ、もしもし?」
「・・・・・・もしもし。何。」
「もしかして、また寝てた?」
「・・・・・・・・・寝てない。で、何。」
「いや、寝てたね。」
「決め付けるな。どうしてバレた。」
「機嫌が悪いから。」
「へぇ。で、何。」
「・・・・・・聞いといて其の反応ってどうよ。
・・・まぁいっか。今さ、ちょっと全裸で電話してるんだけどー・・・」
「待て。」
「何?」
「一言良いか?」
「良いけど何?」
「兎も角パンツ穿けよ。」
「おお?何故に?」
「穿けよ。パンツを。パンツを穿けよ。」
「分かった。ちょっと待って。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・穿いた!」
「うん。少し静かにしような。此方は寝起きだからな。」
「うん。で、話戻すんだけど」
「わぁ、強引に戻された。」
「まあまあ。聞いてよ。結構大事な話だし。」
「おお。で、何だって?」
「うん。先ず、俺さっきまで全裸だったのね。」
「知ってる。」
「で、何で全裸だったかって言うと、風呂に入ってたからなんだよ。」
「はいはい。」
「其の時の話なんだけどさ。」
「ゴキブリか?時期外れだな。」
「違う。」
「じゃあゲジゲジか竈馬だ。」
「違うよ。」
「鼠だ。」
「ハズレ。違う。」
「蛞蝓とか言ったら怒るからな。蛞蝓は大嫌いだ。」
「違うって。聞いてよ。」
「んん?」
「さっき、俺が風呂に入ってた時、風呂の排水溝が詰まったんだ。」
「おお。日頃からちゃんと掃除しないからだよ。此の無精者めが。」
「掃除はちゃんとしてるよ。其れに、そんな詰まる程酷かったらちゃんと判るし。いきなり詰まったんだって。」
「じゃあ、何が詰まってたんだ?」
「髪の毛。」
「やっぱり無精の結果じゃないか。パイプユ○ッシュ使え。」
「俺もそうしようと思ったんだけどさ、丁度切らしてたんだよね。風呂場に置いてる分がさ。」
「うん。其れで?」
「で、仕方無いから使わなくなった歯ブラシ使って髪を取り除いたんだよ。こう、ブラシの部分に髪の毛を引っ掛けて。」
「うんうん。」
「全裸で。」
「其れは別に言わんで良かったかな。」
「で、其の髪が凄いんだよ。俺が歯ブラシ持ったままで立ち上がっても、まだ続いてんの。」
「うわー。」
「量も凄かった。多分あれ、鬘作れる位は軽く有ったわ。」
「気持ち悪ー。」
「で、其処で問題発生だよ。」
「おお。何何。」
「俺って、ユキちゃんとの二人暮らしじゃん?」
「うん。いや、由紀さんの髪だったんだろ?ロングじゃないか。由紀さん。」
「いや・・・あの、うん。其れがさ。」
「んん?違うのか。」
「ほら、ユキちゃんの髪ってさ、赤っぽい茶色に染められてるじゃん?」
「うん。」
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「排水溝の髪、黒だった。」
「・・・・・・え?」
「長さも、ユキちゃんよりずっと長かった。」
「ちょっと、お前何言って」
「ブチッ」
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突然、画面の向こうから何かを引き千切る様な音がした。 友人が言う。
「ブチブチッ・・・あ、ブチッ聞こえるブチッブチッんだ。やっぱブチッ幻聴じゃブチッいみたブチブチブチッ。」
「お前にも聞こえてるのか。其の音は・・・・・・!!」
「多分ブチッ髪をブチブチブチッする音だブチッブチッとブチッ思う。」
「よく聞こえない!何だ?!」
「だかブチッ、ブチッブチッをブチッブチブチしてブチッ」
「おい!!どうしーーーーー 」
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ブチッ
作者紺野-2
どうも。紺野です。
と、言う訳で今ピザポが家に泊まっています。
漸く寝たので書いてます。
詳しくは明日書きます。
僕も寝ます。お休みなさい。