ある日、部活が午前中で終わりだった時。
午後からは予定がなく、暇だった。
友人の真美「遊ぼうや。」
遊ぶことにした。
楽しい時間は矢の如く流れ、もう17時半ぐらいになっていた。
冬の夕方は薄暗かった。
私「暗くなってきたな~。もう帰る?」
真美「そーしよーかな・・・。あ!そうや。」
私「どした?」
真美「こっくりさんやろ~や。」
私「え~、こっくりさん?怖ないん?」
真美「怖ないで。」
私「でも、うち怖い・・・。」
真美「だいじょーVやで。」
真美はお化け屋敷は嫌いなのに、こういうのはなぜか平気なのだ。
私「しゃーないな・・・。」
実はやりたかったんだけどぉ~~。
場所は近所の公園。
準備を終え、早速始めた。
私&真美「こっくりさん、こっくりさん・・・。」
と、お決まりの挨拶。
こっくりさんにはクラスメイトの片思いの人を尋ねたりして盛り上がっていた。
門限も迫り、飽きてきた。
私「そろそろやめる?」
真美「せやな。だいぶ聞いたし。」
このとき18時半であった。
私&真美「こっくりさん、こっくりさん・・・。」
「これで帰れる。」と思っていた。
しかし十円玉は、「いいえ。」
・・・?
予想外。
こっくりさんは帰ってくれなかった。
私達は顔を見合わせた。
私「どうしよう、帰ってくれへんで・・・。」
真美「んー。じゃあ、こっくりさんにどうしたら帰ってくれるか聞いてみよう。」
意外にも冷静な真美。
真美「こっくりさん、私たちもう帰りたいです。」
こっくり「もっと質問しろ。」
真美「どれぐらいですか?」
こっくり「今お前らを返すわけにはいかない。もっと質問しろ。」
私&真美「はぁ?」
続けるしかなかった。
真美「とりあえず、十回質問してみよか。」
私「せやな・・・。」
そして、やっと十の質問を終えた。
私&真美「こっくりさん、お帰りください。」
こっくり「はい。」
恐怖感<疲労感。
最後に十円玉を鳥居へ戻し、お礼を言って終わった。
もう19時だった。
二人でバス停に急いだ。
私&真美「うあっ!」
バス停に乗用車が突っ込んでいた。
飲酒運転だと。
運転手は死亡、まだ若い人だった。
18時45分に警察・救急車が到着したらしい。
「もっと質問しろ。」とは「もっと生きなさい。」だったのか。
作者大日本異端怪談師-3
こっくりさんはワルいキツネやないよ。