中編3
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ウタバコ・15

此れは、ウタバコ・14の続きだ。

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・・・・・・・・・。

「おい、ちょ、止め、止めろ!」

「俺がどんな目に遭わされたと思ってんだコノヤロウ!!」

「知るかよ!!離せ馬鹿!!」

「嗚呼そうだよ!!俺は!!馬鹿だよ!!!」

「落ち着け!僕はのり姉じゃ・・・。おい待て。何だ其れ!何だ其れ?!」

「お前も同じ苦しみを味わえ!!」

「チョコレートムースあげたじゃん!!」

「足りる訳ねーだろ!!」

「だって其れ、下手したら、いや確実にお前の服より恥ずかしいだろ!!だったら僕もセーラー着るよ!!」

「俺が受けた辱しめが此れだけだと思ったか!!」

「いや知らんよ!!其の苦情はのり姉に言えよ!」

「問答無用!!!」

「いや本当待て待て待て止めろおい本気で止めうわぁぁぁぁぁ!!!」

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・・・・・・・・・。

のり姉はドアを開けると、部屋の前で待っていた僕を見て、少し驚いた様な顔をした。

「コンソメ君、何その格好。」

「僕も心底そう思いますよ。」

僕そう言って肩を竦め、薄塩は何も言わずに、拗ねた様にそっぽを向いた。

のり姉はそんな僕等を交互に見ていたが、軈て、何か納得した様子で頷くと、自室のドアを開けた。

僕は軽く鼻を鳴らし、中が見えてしまわない様、スカートを押さえながら立ち上がった。

のり姉が僕の方を向いて尋ねる。

「・・・それ、薄塩の趣味?」

「さあ。・・・最も、着せたのは彼ですけどね。」

「そう。悪くはない。でも、それじゃ足が寒いでしょ。まぁ、取り敢えず入りなよ。話は中で聞く。」

どうやら、着替えさせて貰えるらしい。僕はホッと胸を撫で下ろした。

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・・・・・・・・・。

どうやら、着替えさせてくれる訳では無いらしい・・・そう気付いたのは、のり姉が其れをクローゼットから取り出した後だった。

「はい、これ。」

「え、あの、此れは・・・・・・。」

「履いて。多分少しはマシになるから。」

「えええ・・・・・・。」

のり姉が取り出したのは、レースが付いた靴下。そして、其の靴下がずり落ちてしまわぬ様にする為の器具・・・通称《ガーターベルト》と言う物だった。

「黒も良いかなと思ったんだけど、此方のが色的に合ってるしね。」

「・・・・・・・・・はぁ。」

「後ろ向いててあげるから、コンソメ君、履きなよ。」

一見、親切そうな言葉である。だが、此れは《私が後ろを向いてる間にとっとと履けよ》と言う意味に他ならない。脅迫である。怖い。

そんな事を考えていると、のり姉はクルリと後ろを向いた。

・・・どうやら、身に付けざるを得ない様だ。

僕は特大の溜め息を一つ、吐いた。

・・・・・・仕方無い。

そうして僕は、薄い桃色のナース服に白い靴下、濃い桃色のガーターベルトを身に付けた男子高校生と言う、我ながらよく解らない格好になってしまった。此の姉弟、変な所で頭が可笑しいと思った。

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・・・・・・・・・。

「で、何の用?」

紅茶を優雅に啜りながら、のり姉は首を傾げた。

「協力援助要請と、今までの報告です。」

「どうしてそんな格好してるのか、っていう?」

のり姉の問いに、僕は苦笑いをしながら頭を振る。

「其れも話しますが、メインは兄に教えて貰った事です。」

「兄って・・・。」

「烏瓜さんの方です。」

「あー。○○君ね。」

「ええ。」

「で、何が分かったの?」

のり姉はそう言って、残りの少なくなったカップを此方に差し出した。

紅茶を継ぎ足す。甘い湯気がカップから上がった。

「あの蛇と女性、基、蛇女の正体です。」

「正体・・・ね。」

僕は大きく頷く。

ゆっくりと深呼吸をして、改めて口を開いた。

「《手負蛇》と言う化け物なのだそうです。」

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・・・・・・・・・。

「待って。手負蛇?」

のり姉の目が大きく見開かれた。

「あれは、清姫じゃなかったの?」

「キヨヒメ?」

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コトン

部屋の隅、僕の荷物の中から

微かに音がした。

Concrete
コメント怖い
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ちゃあちゃんさんへ
コメントありがとうございます。

個人の趣味をとやかく言う気は無いですし、本人が楽しんでいるのなら別に構わないんですよ。ですが、何も嫌がってる相手に無理矢理着せることは無いと思うんです。
僕だって、コスプレ自体に嫌悪感が有る訳では無いです。只、あんな格好は・・・・・・。

漸く話が動くと思います。宜しければ、お付き合いください。

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紫月花夜さんへ
コメントありがとうございます。

全くです。
まさか彼処で追い討ちを掛けて来られるとは思いませんでした。

僕も、生きてる人間・・・と言うか、のり姉が一番怖いです。

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去年のハロウィンの時に、セー◯ームーンのコスプレしてる男の人を見ました…バツゲームかと思ったけど、本人、とても楽しそうでした…(^ν^)紺野さんもコスプレが楽しめる日が来ると良いですね〜(^∇^)なんて、ウソウソ。次も楽しみにお待ちしてます〜(^^)

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