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これは、久しぶりに大学時代の友人と会ったときに、その友人が聞かせてくれた話なんです。
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この友人は今も、中学校の教師をしてるんですがね、彼がまだ学校に赴任して、そこまで時間もたってない様な頃の話なんです。
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学校ってなぁ、色々な催し事があるわけなんですが、修学旅行もその1つですよねぇ。
子供達の中には、学校行事のなかでこれが1番だって子も多いんじゃないでしょうか。
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それに比べて先生方は大変なんだなぁ。
彼もその年はね、2年生の担任をしてたもんだから、修学旅行の引率をしなくちゃいけなくなったんですよ。
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そりゃあもう、準備だなんだって大変だったそうですよ。
で、まぁ無事に出発の朝を迎えて、学校からみんなでバスに乗って出発したわけだ。
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バスの中は、みんな楽しみにしてたんでしょうねぇ。わいわいガヤガヤで賑やかなもんですよ。
そうこうしているうちに、バスは高速道路にのって、最初のトイレ休憩地点に着いたんです。
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で、生徒達もみんな、とりあえずバスから降りて、トイレに行ったり、もうお土産見てるやつなんかもいたりしてね、時間になってみんなバスに帰ってくる。
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先生方は「あーい、誰々居るか??誰々居るか??
」って点呼して、人数揃えてからバスは出発したんです。
バスが出発してしばらくすると
トゥルルル、トゥルルル!!
友人の携帯に連絡が入ったんだ。
「もしもし・・・はい、そうです。・・・えっ!?わかりました!!はい・・・ええ。大変ご迷惑おかけします!!・・・はい、よろしくお願いします!!」
どうやら、さっきのサービスエリアに、友人のクラスの生徒が1人、取り残されてると、サービスエリアの方から学校に電話があったみたいなんだなぁ。
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友人はあわてて、サービスエリアの電話番号を学校から聞いて、すぐ電話したんです。
幸い、サービスエリアの方が車で送ってくれるというので、次のサービスエリアでバスを待機させて待ったんですよ。
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でもねおかしいんですよ。
妙に変だなぁ。
出発前に名前を呼んで、人数も数えてから出発してるんだから、置いてきてしまう事はないはずなんですよ。
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30分くらい待ってたのかなぁ。人の良さそうなご婦人がね、生徒を連れてきてくれましたよ。
友人は
「すまんかったなぁ。」
なんて良いながら生徒をバスに乗せて、ご婦人にお礼をしたんです。
ご婦人も
「いいんですよ、先生方は大変ですねぇ。」
なんてね。
友人はほっとしたらしいですよ。
ただね、ご婦人が、ちょっと気になることがあるっていうんですよ。
というのも
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生徒が置いていかれたサービスエリアのすぐ近くで、最近死亡事故があったらしいんですよ。
家族連れで、一家全員即死。
被害者の中には中学生の子もいたらしいんだな。
でね、その事故、地方の新聞にも小さく出てたみたいなんだ。
ご婦人はサービスエリアで働いてたから、その記事よく覚えてたらしいんだけど、置いていかれてた生徒の名前聞いて、びっくりしたそうですよ。
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その、事故で亡くなった子供の名前。
置いていかれた生徒の名前と、おんなじだったらしいですよ。
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同じ年代の子達が楽しそうにしてたから、付いていっちゃったのかなぁ。そいで、自分と同じ名前を呼ばれたから、返事もしたんじゃないかって、友人は
言ってましたよ。
ちなみに修学旅行は、その後、何事もなく無事におわったみたいですねぇ。
作者ビビり