どうしてこんな酷い雨の日に傘を差さないのかって?可笑しなこと言うなよ。レインコートを着てるじゃないか。
俺はレインコートは嫌いな筈だろって?おいおい、どうしてお前がそんなこと知ってんだよ。まあ確かに嫌いだけどな。でも、傘何かより大分マシだから。
怪訝そうな顔してるな。どうして突然傘を嫌いになったのかって聞きたいのか?そうだよな、俺のことを不気味に思ってるんだろ。
全く、自分と尺度の違う人間を受け入れられない奴は、仕事で成功しないぜ。嗜好の変化なんて誰にでもあることだろ。視野が狭いんだよ、お前は。
・・・でも、確かに理由が無い訳じゃない。
信じて貰えるかは別としてな。
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先月の上旬、確か仕事帰りでの話だ。
俺は珍しく早く帰れることになって、まだ薄明かるい道を歩いていたんだ。
で、そこでな、見付けた。・・・何をって傘だよ。悪趣味な花柄模様の奴さ。
段ボールの上に覆い被さるようにして開いて置かれてた。電信柱と民間の壁との間に、持ち手の部分を挟み込むようにしてな。
中からミャアミャア鳴き声がすんだ。
俺、仔猫かなんかが捨てられてると思ってさ、喜び勇んでその傘の下を覗き込んだんだよ。
そしたらさ、中に居たんだよ。奴が。化け物が。
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・・・で、俺は傘が駄目になったって訳。
覗き込んだ傘の中に居た化け物、そいつが、いまだに傘を開くと虚ろな目で此方を見るんだ。
ほら、今、お前が差してるソレにだってーーーー
作者紺野-2
どうも。紺野です。
ちゃちゃっと書いた話ですので、お目汚し失敬。
口調が凄く馬鹿っぽいですね。失敗失敗。