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短編2
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墓場

これは、私の友人A子体験した話である。

彼女はある夏の日とあるコンビニでバイトをしていた。

毎日夜遅くまで働いては、暗がりを自転車で駆け抜けてゆくそんな日々を過ごしていた。

そんなある日。

その日のコンビニは客足が悪く、お客もあまり来なく珍しい1日だったという。

彼女が”いつもより暇だ。”そう思った時、店の奥から店長がやってきて

”A子ちゃん、もう上がっていいよ。お客さん来ないと思うから。”

店長の発言を聞いた彼女は”いいのかな?”と思いながらも

“わかりました。では先にあがりますね。”と言って店を後にした。

その帰り道、いつものように自転車で暗い夜道を走っていると

目の前から一つ、二つと灯りが増えていく。

”何の灯りだろう?”彼女はそう思い、その場でブレーキを掛けそれを眺めてみることにした。

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灯りが自分の真横を通り抜けるまで気付かなかったが灯りの正体は無数の蝋燭だった。

しかも人がいるわけではなく、ただ蝋燭のみが彼女が来た道を真っ直ぐ進んでいく。

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彼女はこの場にずっといるのは危険だと思い、その場を離れ何も見なかったことにしよう。

そう思うことにした。

その翌日。

彼女はいつものように、いつもの時間に家をでて自転車でバイト先に向かった。

そこで事件が起きていた。バイト先のコンビニ前には数台のパトカー、

コンビニ前にはブルーシートが掛けられている。

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彼女は慌てて駆け寄った。何があったのか見るため聞くために。

警察に事情を話し特別に中に入ることが許された。

警察の話によると店長さんが可笑しな格好で死んでいるのをコンビニの近所に住むおばちゃんが発見し

通報したようだ。

まるで何かを見つめて笑っているかのように死んでいたそうだ。

誰かに絞殺されたこともなく自然死だと思えるほど綺麗に。

彼女は昨晩の出来事を誰かに公開するもなく自分の中に仕舞い込み病気か何かで突然死した。

そう思うことにしたのだった。しかし

その晩のことだった。そんな事件があった後だ、当然眠れるわけがない。

深夜0時、彼女は眠れないのは暑いせいだと思い込むことにして、少し夜風に当たろうと思い外に出た。

”はぁ、涼しい。”そんなことを言っていると

あの日の晩と同じく無数の蝋燭がこちらに向かって歩いてくる。

その時彼女は目を疑った。その中に店長の姿がある。

店長は自分には気付かずただゆっくりとひたすら蝋燭とともに歩いていく。

その瞬間に彼女は確信した。あの蝋燭は店長を迎えに来たんだと。

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そして彼女はそのまま蝋燭が消えるまで見つめ続けたといいます。

A子は今でも思い出すことがあるそうです。

蝋燭とともにゆっくり歩いていく店長の笑った顔を。

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