酔ってる兄に、今まで仕事をしてきた中で一番怖かったことを聞いてみた。
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え?嗚呼、うん。一番怖かったことか・・・。
そうだなぁ・・・アレかな。けど、期待に沿えるかは分からないからね?
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其の日も、私はとある廃屋に仕事で出掛けていた訳だよ。
近隣住民の皆さんからは《何だか変な物音がする》とか《無人の筈なのに人影が見えた》等の話が寄せられて来ていた。
其れの原因究明と解決が其の日の仕事だった訳だが・・・まぁ、こう言っちゃ何だが、町内会とか絡みの仕事は給料がね・・・。
前日にガッツリ飲み会入れれて二日酔い気味だったし・・・。
私はテンションが上がらないままで、現場に向かったのさ。
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廃屋に何か居るって言っても、其れが一概に霊とは限らない。
住み着いた動物に住所不定無職な人とか・・・。
其の日も、霊とかじゃないってのは直ぐに気付いたよ。
けど《はい、霊じゃないので帰ります。》という訳にもいかなくてね。
仕方無いから、何か居るのか分からないまま私は家の探索を始めた。
一階にはゴミが沢山散乱していたけれど、何も無くてね。此れは住所不定無職の人かな・・・なんて考えながら、二階へ向かったんだ。
二階の最初の部屋だったかな。
ドアを開けるとね、先ず、白い足が見えた。
見慣れてるからね。もう其処で半ば察したよ。
けど、決め付けも良くないから一応確認したんだ。
詳しい描写はあまり言いたくないがね。酒も肴も不味くなるから。
けどね、そこそこ傷んでた。後は、自殺や自然死じゃなかった、とだけ言っておこうかな。
もうね。私の専門外だ。御手上げだよ。
其処で放り出して逃げても良かったんだけど、ほら私ってば根が真面目だからさ。
面倒臭いなぁ・・・と思いながらも警察まで行ったのさ。交番も近かったしね。
で、御巡りさんに色々と説明して、一緒に確認しに行くって話になったんだ。普通、第一発見者も確認しに行くのかなぁ。先方も大概慌ててたからなぁ。
で、其の民家まで戻ったんだけどね。
そしたら、遺体が玄関を開けたら直ぐの所に有ったんだ。いや、一応《居た》と言うべきかな。
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「死体が動いたんですか?!」
僕が思わず叫ぶと、兄は笑いながらブンブンと手を振った。
「そんな訳無いさ。」
そして、コップに注がれた酒を啜り、肩を竦めながら言う。
「実は、家の中に犯人が隠れててね。逃げようとしてたんだって。死体を連れてね。」
作者紺野-2
どうも。紺野です。
やっとテストが終了しました。
テスト明け一作目からデータが飛び、また短い話となってしまいました。もう嫌だこのアプリ。
次に書く話なのですが、ネタが幾つか貯まっていて、何れを書くか迷っています。
《本編》《木葉さんと烏瓜さんの出逢いの話》《店長と三島さんへと愚痴》
の中から、皆様に選んで頂けると嬉しいです。
また、宜しくお願い申し上げます。