これは、今から3年前。娘がまだ3歳だった頃に体験した話です。
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この時期になるとキャンプ客も少なくなり、公園はほぼ、貸切状態でした。
娘は、公園に着くなり大はしゃぎで遊具に走って行きました。
遊具は、滑り台の付いているよくある複合遊具で、幼児でも遊べる様なものなので、私は近くのベンチに座って娘が遊んでいるのを眺めていました。
しばらくして、私達が着いた時に居た他の家族も帰り、公園には私達だけになりました。
自分等もそろそろ帰るかと思ったんですが、娘を見ると、まだまだ元気に動き回っていたので、もうしばらく遊ばせてあげることにしました。
可愛いなぁと思いながら、遊んでいる娘を眺めていたんですが、ふと、あれ?と思ったんです。
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滑り台に向かう途中、くるっと後ろを振り返って、うんうんと頷いたり。
おいでおいでをしたり。
滑り台の手前でまた振り向き、何かしゃべってにっこりしたり。
独りで遊んでいるはずなのに、誰かと遊んでいるみたいな・・・。
うちには、この子の下にも1人、1歳の息子(妻と家でお留守番中)が居ましたので、まぁ、娘は弟と遊んでいるつもりの、独りごっこ遊びでもしているんだろうと、この時は思ったんです。
それから日も落ちてきたので、帰る事にしました。
娘を呼んで抱っこし、駐車場への階段を登っている時でした。
娘が急に、大きな声で「ばいばーい!!」と言って手を振りだしたので、ビックリしました。
私から見て、公園の複合遊具は背中側になります。
娘は、その複合遊具に向かって手を振っていました。
でも確か、公園には誰も居ないはずです。
私は、恐る恐る振り向いて公園内を見回しました。
やはり、人の姿も気配もありません。
少しゾッとした私は、急ぎ足で車に戻りました。
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帰りの運転中、助手席のチャイルドシートに座っている娘に「誰かと一緒に遊びよったのぉ??」と、聞いてみました。
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「うん!!いっしょにあそんだぁー♪」
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「えっ??公園、誰も居らんやったやろぉ??」
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「ううん、しらんおねぇちゃんとあそんだー!!」
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楽しそうに答える娘。
いや、間違いなく公園には私達以外、人は居なかったんですが・・・。
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「ど、どんなお姉ちゃんやったん??」
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「んとぉー、なんかねぇーからだがはんぶんこでねー、こうやってあるきよったよー、すごいやろー♪」
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自分の太股にトントントンと、左右交互に、まるで手で歩いているかの様なジェスチャーをしながらニコニコ喋る娘。
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ゾワッ・・・。
運転しながら娘の話を聞いていた私は、全身から一気に鳥肌が立ったのが解りました。
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・・・・・・。
この子と遊んでいたのは、手を足の様にして歩く、身体が上半身だけの女の子。
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もちろん、これはあくまで私の想像です。
私には、そんな女の子見えていませんでしたから。
ただ、気にかかることが1つありました。
それは、この某湖畔公園に幽霊が出る、と噂されるようになった原因なんですが・・・。
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今から約15年程前、湖畔公園を散歩していた老夫婦が、岸辺に打ち上げられていたあるものを発見し、大変な騒ぎになりました。
後日、ローカルニュースにも流れた事件です。
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警察の調べでは、岸辺に打ち上げられていたものは、5~12歳位の女の子の、腰から下の下半身だったそうです。
切り口の損傷が激しく、ノコギリか何かで力任せに切られたのではないか、という事でした。
ただ、その後の懸命な捜査にも関わらず、身元はおろか、上半身さえも見つからなかったそうです。
後の報道もどんどんと無くなってしまったので、それからどうなったのかは解りません。
おそらく、未解決事件となっているんじゃないでしょうか。
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そんな事件が起きてから、この湖畔公園では自分の太股下半身を探す女の子の霊が出る、という噂が立ち、心霊スポットとなったそうです。
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あれから、娘は何事もなく元気に成長しています。
そしてあの時以来、気味が悪くてあの公園には全く近づいていません。
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あの時、娘と遊んだ女の子は今でも、あの公園で自分の下半身を探し回っているのかもしれませんねぇ・・・。
作者ビビり
この湖畔公園は実際にありまして、心霊スポットというのも本当なんですが、体験はフィクションです。
あと、湖畔公園で起きた事件も。
こんな体験したら怖いかなーと思って創ってみました。
・・・あ、あんまり怖くないですかねぇ・・・??(´▽`;)ゞ
#gp2015