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中編4
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貴女に逢いたい。

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これは、アタシがまだ人妻だった頃、某大手キャバクラチェーン店で働いていたある日の出来事。

レギュラーに返り咲いて数年、最初は新人イジメをしてきていたお姉様達とも、誤解が解け和気あいあいとお仕事が出きるようになって、毎日が楽しくて仕方なかった頃。

アタシの働くお店で、お局様と恐れられていた姉御肌の嬢を指名している、勘違いおじさまがいたのだけど。

某会社の重役で、いつも社長の金魚のフンのそのおじさまは、頭はバーコード、ずんぐりむっくり、おまけに口臭がトラウマレベル。

そんなおじさまは、嬢との擬似恋愛にどっぷりハマり、エ○メスのバッグやら、G○CCIのアクセサリーやら、果ては薬指用のペアリングまで、まぁとにかく何百万使って来たんだろうとガクブルするほど酔いしれていた。

そんなある日。

その日も、

「社長が行くので自分もお供で行くから」

と前日から連絡があったらしく、嬢は、

「あー、マジめんどくせぇ。他のお客さんのとこも回らないといけない事わかってるくせに、指輪してないとチクチク嫌味言うんだよねー。マジだりぃ。」

とこぼしていた。

ところが、営業時間が始まってしばらくすると、スタッフから嬢がセンター(会計をしたり、嬢に指名の入ったテーブルNo.を伝えたりする場所)に呼ばれた。

何でも、おじさまから店の電話に連絡があったらしく(営業時間中は基本的に携帯はセンターに預ける決まり)、今日はどうしても行けなくなったと。

連絡をくださいと言われました、とレジの女の子から言われたらしい。

嬢はすぐに預けている携帯を借り、裏で電話をかけた。

仕事でトラブルがあり、行けなくなった、この埋め合わせは必ずするから

との事だったらしい。

待機席に戻ってきた嬢は、

「マジかよー。今日のポイント上がんないじゃん。マジ使えねぇ。」

とボヤいておりました:((;っ´°Д°`c);:

それからしばらくして、ちらほらとお客様が入り始め、いくつかのテーブルが埋まった頃。

アタシの座っていた場所からは、そのおじさまと社長が必ず座るテーブルが、一部分見えている状態だった。

既に社長さんはいらしていて、アタシの位置からは見えない場所が定位置なので、アタシからは見えなかったんだけど。

その社長さんが座っている方向に向かって、腰を折り曲げ中腰の姿勢で、ニヤけ顔で片手を「すみません」の状態にして、ぺこぺこしながら席につこうとするおじさまの斜め後ろ姿が見えた。

ちょうどアタシの横に指名嬢が座っていたので、

「あら、○○さんいらしたんですね!トラブル解決したのかな?」

と話かけると、

「マジで?何も聞いてねぇし。来れるようになったなら連絡しろっつの。」

と毒吐いておりました:(;゙゚'ω゚'):

そんな嬢の毒を聞き流しながら、ぼんやりと

あれ。。。でも今来ました!って感じだったけど、待機の横通ったっけ?

おしゃべりしてて気付かなかったのかな。

仮にそうだとしても、待機にいる嬢が誰も気づかないわけないんだけど。。。???

アタシのいたお店はワンフロア全てが店舗なので、エレベーターが開くとそのまま店内。

そこからお客様に付いていない嬢が待機する「待機席」の真横を通って、ボックス席に案内される。

その待機席を通る時、嬢は姿勢を正して頭をさげ、一斉に「いらっしゃいませ」と言う決まりになっているのだ。

その日は珍しくお客様の入りが遅く、待機は嬢で溢れかえった状態だった。

仮にアタシを含む数名がおしゃべりに夢中だったとしても、そこにいた嬢が全員来店に気付かないなんてあり得ないのだ。

なぜなら、エレベーターが開くと同時にまず、マネージャーとレジの女の子が

「いらっしゃいませ!お客様何名様でしょうか!」

とデカイ声で言うからだ。

しかもエレベーターホールは待機席の真ん前。

誰かがエレベーターから降りてくれば嫌でも見える。

なのにアタシもそこにいた嬢も全員が、誰も気付いてない。

その上。。。

普通永久指名のお客様が来店された場合、店側はお客様に指名確認をせず、無条件でいつもの嬢を付ける。

なので今回の場合も、お客様が席に付く頃を見計らって嬢を呼ぶはずなのだ。

なのにいつまで経っても毒舌嬢にお呼びがかからない。

「あれ?呼ばれませんね。」

とアタシが声をかけると、横でかなり苛ついていた嬢がすくっと立ち上がり、センターに向かった。

そこで聞いたのは。。。

「今日は○○様はいらしてませんよ?」

というレジの女の子の控えめな言葉だった。

いや、アタシはっきり見たし!スーツは何色で、こんなふうに片手を立てて「どもどもども」みたいにして席に入っていったの見たし!

ええぇぇ!怖いなにそれ!

んでみんな騒然となる。

お客様の仕草や特徴は、指名されている嬢が一番よく知っている。

アタシが真似したその仕草を見て、嬢は青ざめながら

「それ、○○さんやるもん。絶対○○さんやわ。」

とつぶやいた。

腑に落ちないアタシと嬢は、意を決して社長の席へ。

そこで事情を話し、本当に来てないのか確認してみた。

まあレジの女の子もマネージャーも断言していたので、来ているはずはないのだけれど。

その社長から返ってきた言葉に、アタシと嬢は震え上がった。

社長「あぁー、今日はね、トラブルが起きてしまって、急遽来れなくなったのよねー。○○さんものすごく残念がって、ものすごく行きたいって最後までゴネてたから、生霊飛ばしちゃったのかもね(笑)」

∑(ºロºlll)えぇぇぇぇ!!!

待機に戻りながら嬢と一言。。。

「あり得るから怖いね。。。」

Concrete
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あんみつ姫さん、おはようございます。
そして「怖い」&コメントありがとうございます(*´艸`*)

アタシの投稿を最初から読んでくださったなんてっ(*∩ω∩)とても嬉しいです////

それだけでも嬉しい限りですのに、「傑作」お褒めのこと場まで頂いちゃって、嬉しいやら恥ずかしいやら、恐縮しまくりです(*/ω\*)

今もきっとおじさまは毒舌錠のもとへ足しげく通っていらっしゃることだろうと思います。

擬似恋愛。この世界をよく知らない方達の多くは、「男性客を騙して金品を貢がせる」汚い商売だと嫌悪する事がほとんどなのですが、深く知って、上手に遊べるようになると、その奥深さに感嘆する事も多々あります。

ただ、線引きがとても難しく、嬢にとってもお客様にとっても、身を滅ぼす可能性を秘めた諸刃の剣なんですけどね。。

擬似恋愛という世界の中だけの、ギリギリラインの駆け引きを楽しむお客様は、本当にスマートなんですよ(*´艸`*)

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沙羅さん、いつもありがとうございます(*´艸`*)
ホント、はっきり見えたんですよ。何の違和感もなく。
紗がかかっていたりとか、ぼんやりしているとか、向こうが透けて見えるとか全然なくて、もうホントに実物そのものだったんです。
キャバクラやスナックのような夜のお店って、間接照明で薄暗いでしょ?でもそのボックス席だけは、一番壁側でフロアの端から端までの団体客用の席だったので、フロアの角からスポットライトが当てられてる状態で。
そのライトが、おじさまの薄いバーコードの下の地肌に反射してるのまで見えたんです(笑)
その店では他にもちょっとありましたからねー
呼ぶのかも(笑)

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そこまでの執着心・・・ある意味感心・・
異性にのめりこんだ事無いからな~~(薄情)

そもそも男女間に<友情>が存在すると信じて疑ってないしなぁ~

生霊だけは勘弁してもらいたいもんですねぇ~

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仲間さん
いつも怖い&コメントありがとうございます♫
そう、その方はその嬢にだけはどMでした(笑)

生霊飛ばすほどのめり込むなんて、末恐ろしいです:(´◦ω◦`):

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