中学生の頃、僕には友人がいた。仲良しで毎日一緒に帰っていた。その日も一緒に帰っていた。
学校のすぐ横には小さな本屋さんがあって、僕らは良くそこに寄っていた。
その日も漫画を買うために寄っていて、二人で本屋さんを後にした。
本屋さんの前には横断歩道があり横断歩道を渡ると薄暗い公園がある。
僕は校区が違うため、中学生になるまでその公園の存在を知らなかった。しかし直感的に君が悪い公園だとは思っていた。
そして二人で本屋さんを出た時に前の横断歩道が青信号だった。
僕は慌てて止めていた自転車に跨り走り出した。そこまでは記憶があったのだが…
ふっと、記憶が途切れた。
そして意識が戻った時に見えたのは、怒った顔の車の運転手
え?
そうなった瞬間、信号を見れば赤信号
僕がいた場所は横断歩道の中
びっくりして慌てて横断歩道を渡りきって青信号になり友人がそばに来た。
そして僕に…
お前なにしてんだよ!本屋でていきなり横断歩道に飛び出したと思ったら横断歩道の真ん中で止まりやがって!!ましてや赤信号になるし、肝が冷えただろ!なにがあった?!
あ…えっと…横断歩道の真ん中で止まったの?
ああ…まさか記憶無いのか?
うん…本屋さんでて青信号だったから自転車に乗ったまでは記憶があるけどそこから記憶なくなって気がついたら車の人が睨んでて赤信号だったからびっくりはしたけど…
何か見たか?
え?
何か、何か見たか??記憶が無い時に何か…
友人は僕にそうやって聞く。
えっと、真っ白な世界にいて、意識が戻った時に女の人が視界に入ったけど車の人の顔にびっくりして…
っ!?
どうしたの?
友人の顔色が一瞬で変わったので僕は首を傾げる。
お前は校区が違うからこっち方面には中学生になってからしか来たこと無いだろ?
うん。ずっと自分の小学校の近くしか知らなかったし…どうしたの?
お前が怖がるから言わなかったけど、この公園出るんだよ。女の幽霊がな…
っ!?
お前前にこの公園怖いって言ってただろ?そういう気配に敏感なんだろ?だから余計言いたくなかったんだ。学校でも怖いから近づきたく無い場所とかあるんだろう?だから気配に敏感な奴だなって思ってたからこんなこと言いたくなかった。多分敏感過ぎてお前呼ばれたんだよ。連れて行かれる前になんとかなったけどな…
あっ…
これからはあまりこの公園見つめるなよ?
また呼ばれたら嫌だろうし…
うん。
友人はそう言って僕を慰めてくれたがそれからもその公園の前を通る度に背筋が寒くなった。
友人曰く、友人は出会ってすぐから僕が色んなものに敏感なのはわかっていたらしい。しかも中学がある場所は結構曰く付きな場所で友人が通っていた小学校も中学の近くにあり心霊系の出来事の話はかなりあったそうだ。
僕は中学からは一番遠くの小学校に通っていたため何も知らなかったし、友人達の学校の子が他の校区から来る子には話さないようにしていたそうだ。それぐらい危ない場所があるんだ。とか聞いたのはこの出来事から暫くしてからだったがあの時、もし間違ったら僕の命は無かったのかと思うと今でも背筋が寒くなることがあり今もその公園はあり、前をたまに通るが友人に言われたように公園を見つめないようにしている。
友人に言われたように…
作者ノア