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ある日、俺はある自殺サイトを見ていた。
別に自殺願望があったわけではない。ただ、自殺したいと思う人間の心理や自殺理由に興味がわいただけだった。
そのサイトの書き込みの中に
「私はいま数人のクラスメイトから執拗なイジメを受けています。
他のクラスメイトも見て見ぬフリで助けてくれません。
イジメがひどくなるのが怖いので、先生に言うこともできません。
もう死にたいです。誰か楽な死に方教えて下さい。」
というものがあった。
俺は、その自殺志願者に向けて
「死ぬなとは言わない。だがどうしても死ぬと言うなら、その前にお前をいじめた奴らを完膚なきまでに叩きのめしてからにしろ。やられっぱなしで死ぬことだけはやめろ。」
と書き込んだ。
いじめた奴らさえどうにかしてしまえば、自殺する理由もなくなると思ったからだ。
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数週間後、俺は部活が終わって、街灯もまばらな暗い夜道を歩いていた
すると突然、背中に鈍い痛みを感じ、意識が遠のいていった。
薄れゆく意識の中、俺はどこかできいた言葉を思い出していた。
「イジメを見て見ぬフリをするやつは、イジメをしているやつと同罪だ。」
作者白真 玲珠