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中編4
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『骨董男』

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その日の喜一は店番をしていた。

喜一がレジ台に顎を乗せて、晴天の空を恨めしそうに見上げていたとき、

「もし、坊やここの主はどこかね?」

喜一はビクっと体を大きくはねらせた。

全く人の気配が無かったのに、急に太った男が店の前に現れたのだ。

「えっと、親父は骨董市に出かけてて、夜まで戻らないよ」

喜一の言葉に、男は急に挙動不振になった、

「どうしよう…どうしようか?…いやしかし…」

男は何やらぶつくさ言い出した。

男はもう水無月になると言うのに、大きな虫食いだらけのコートを羽織り、帽子を深くかぶっていた。

男の成りを見て喜一は、

こいつは金に困ってガラクタを押し売りに来たタイプだな、

動きがせわしないのは、きっと取立にでも追われているのだろう、と喜一は考えた。

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男の独り言は、まるで相談の様。

「どうする?しかし時間が無いぞ、この子に任せてはどうだろう?でもこんなガキに全てを任せるのは…」

喜一は男の態度にイライラし、

「おじさん、冷やかしなら帰ってくれよ。今は買い取り出来ないからさ」

喜一がきつく言うと、男はガラクタがあふれ出るパンパンのカバンを悲しげに見つめて、無言で出て行った。

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その日の夕方、「おいキー坊」。店に駐在さんがやってきた。

「なななな何俺何にもしてないよ」

身に覚えは無いが、喜一は体を強張らせた。

「はは、お前に用はねぇよ。親父さんいるかい?」

今日の親父は人気物だ。

「夜まで戻らないけど、親父がどーしたの?」

喜一の声に、

「そうか、困ったな。たぶんお前さんちの落とし物だと思って持ってきたんだけどよ、確認の使用がねぇな」

髭をさすりながら駐在さんが荷車で運ばせた物は、昼にきた客の持ち物だった。

持ち物だけじゃない。服、靴、帽子全てだった。

「こんな骨董品扱ってるのなんて、お前さん家ぐらいだろう?

 でも、落とし物としては不自然でな。

 カバンの中だけじゃなく、服の中にまでパンパンに骨董品が詰まっててよ。帽子の中にまでだぜ?」

喜一はごくりとつばを飲んだ。

何かが起こった。もしくは、起こっていると感じたからだ。

駐在さんには見覚えがあると言い、荷物を店で預かり、一つ一つを広げてみた。

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乱雑にガラクタが詰まっていた鞄の中から、一つだけ立派な桐の箱が出て来た。

「へその緒か?」

喜一は箱の中が気になったが、恐ろしさもあったため箱は開けず、親父の帰りを待つ事にした。

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夜になり親父が帰って来た。

喜一は店から居間に入り、玄関の親父の元へと走った。

「親父!ちょっと来て!」

喜一の声に、ほろ酔いだった親父の目つきが変わる。

店に入りガラクタの山を見るなり、

「そうか、そうだったか…喜一、俺宛の郵便持って来い」

喜一が何を言うわけでもなく、親父には何か解ったのか、喜一に命令した。

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親父はここ3日、他県の骨董市(一種の寄合)に顔を出していたため、2日分の郵便物が貯まっていた。

親父は一つのハガキを見つけるとため息をつき、

「すまなかったなぁ…」と、ガラクタに向かってぽつりと言った。

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親父は数ヶ月程前、旧友の家に招かれた。

古い納屋を近々取り壊すため、中の骨董品を鑑定して欲しいと言われたのだ。

高値で売れれば、骨董品を頭金に納屋を新調しようとしていたのだが、

どれも商品になる様な物は無く、旧友は納屋の新調を先延ばしにする事にした。

ガラクタばかりだったが、親父は何かを感じたのか、

納屋を取り壊すさい、「骨董品を引き取らせて欲しい」と言い、旧友も快く承諾した。

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ハガキは、『言い忘れていたが、取り壊しを2日後行う』と言う内容の物。

あのガラクタ達は、納屋ごと捨てられるのを恐れ、親父の約束を信じ、ここまでやってきたのだ。

小さな小さな力を集め、ぎゅうぎゅうになってここまで来たが親父は留守。

そして道ばたで力つきたのだった。

「これは?」

親父が桐の箱に気付いた。

「こんな物、あいつの家で見なかったが…」

親父が桐の箱を開けた。

「こいつは…凄いな…」

中には綺麗な石が入っていた。何かの宝石の様だ。

自分達がお金にならない事を分っていたのか、喜一にはそれが引き取り金に見えた。

「はは…律儀なもんだな」

そう言うと親父は、一つ一つを磨きだした。

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ガラクタの中には、何に使うのか分らないような古い道具まであった。

修理された跡があり、大切に使われていた事がわかる。

喜一は後悔した。昼間の事を。

ガラクタを丁寧に磨く親父の背中を見て喜一は、

物も人にも大切に接すれば、いつか自分にも、こんな素敵な奇跡が起るだろうか?

そんな事を思いながら、親父と一緒に遅くまでガラクタ達を磨いたのだった。

Concrete
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こ、こら!まてーこんにゃろー!
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12 11552 21 ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3はあ!はあ!
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ふう!喉かわいた…Ʊ”-ʓ Ʊ”-ʓε-(´∀`; )

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もう少し理解できるような文章書けませんかね?

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ネタバレ注意
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何が起こるわけでもないのですが、ぐぃと惹きつけられる良いお話ですね。

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