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短編2
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いつもと違う道

数ヶ月前の話です。

私は駅の近くの交通の便が良い所に住んでいましたが、高地にある田舎町に引っ越すことになりました。遊びに行くのは不便ですが、高校に近くなったので不満はありませんでした。

今まではバスに乗って高校に通学していましたが、登校距離が短いので歩いて通うことになりました。

高校までの道は細い分かれ道が多く、最初は道に迷ってばかりいました。

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そんな時に友達が家から高校に行くまでの最短距離を教えてくれました。

しばらくはその道を通って高校を行き帰りしていましたが、面倒くさがりの私はもっと短い距離で行ける道がないかと考えていました。

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ある日高校がいつもより早く終わり、その後予定もなかったので、私はさらに短い距離で通える道を探すことにしました。

家に帰るまでには途中開けた道があって、いつも通っている道は左に曲がるのですが、今回は右に曲がりました。

見慣れない道を歩くことは不安ですが、どこか冒険をしているような気持ちでした。

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どんどん歩いていくと、左側にある古いアパートが目に入りました。

そのアパートは周りの家と違って薄気味悪い雰囲気が漂っていて、そこだけ空間が切り取られているような感じがしました。

一本道だったので、そのアパートを横切らなければなりません。

引き返そうかとも思いましたが、いつも帰る道まで戻るのは面倒でした。

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せめてそのアパートを見ないようにしようと思い、左側を見ないようにして歩きました。

アパートをちょうど通りすぎようとした時、

一瞬何故か足が動かなくなりました。

その直後、

ものすごい速さの物体がアパートの方から飛んできて、私の顔のすぐ前を通りました。

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その物体は私の横にあった壁に当たり、大きな破裂音をたてて砕けました。

粉々になった物体を見ると、石でした。

明らかにアパートの方から飛んできたので、頭のおかしい人が投げたに違いない!と思った私は、バッとアパートを見ました。

しかし、アパートのどの部屋を見ても真っ暗で人が住んでいる気配はありませんでした。

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怖くなった私は、走っていつも帰っている道まで引き返してすぐに家に帰りました。

よく考えてみると、人が投げて出せるようなスピードではなかったし、私の方へ向かって真っ直ぐ横に飛んできました。

あの時もしそのまま歩いていたら、私は重症を負っていたに違いありません。

皆さんはいつもと違う道を歩く時は注意してください。

そのアパートは数日後に取り壊されました。

Concrete
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まこと様

はじめまして。
不思議で怖い体験でしたね。
もしかしたら、目に見えぬ誰かに、誘われていたのかもしれません。
ふと、いつもと違う道を通ってみたくなる時があります。
そんな時は、このお話を思い出すことにいたします。

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