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短編1
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留守電が嫌いな理由

私が中学生だった頃の話です。

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その日の夜はたまたま両親の仕事が長引いたので、父・母・兄・私の家族4人で外食をしてました。

楽しい夕食を終え帰宅した後、たぶん19時過ぎくらいだったと思います。

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階段の踊り場にある電話の留守番メッセージのライトが点滅していました。

普段、電話が掛かってくることも稀な家庭だったので、誰から掛かってきたんだ?と家族揃って気になってしまい、すぐにメッセージを再生しました。

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すると男の子の声で

「けいた、けいた いないのー。けいた」と、全く抑揚のない声が再生されました。

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(けいた?)

父も兄も、「けいた」などという名前ではなかったので誰のことだろうと皆で首を傾げていた時、2つ目のメッセージが再生されました。

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今度もまた抑揚のない男の子の声で「けいたー、けいたどうしたのー。けいたー」

(なにこれ?!)

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私は寒気がして、これ以上聞きたくないと部屋に逃げようとしましたが、遅すぎました。

そして3つ目のメッセージが再生され、

ものすごく低い男の声で

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「たすけてー・・・」

と一言。

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もう家中大パニックで、急いでメッセージを3件とも削除して電話も捨てました。

あのメッセージが何だったのか、今でもわかりません。

しかし、私はあれから留守電が怖くて再生できなくなりました。

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