首

初めて、子供と同じ世界を見たと思う。

でも、やっぱり子供ほど純粋さは無いので「見間違いだったんだろう」「勘違いだろう」と、どこか無理やり理由付けしている自分がいる…

・・・

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朝、自転車に子供二人を前後に乗せてあーでもないこーでもないと話ながら保育園へ向かうのが日課です。

今朝もキーンと冷たく澄んだ空気の中自転車を漕ぎ出した。

家は大きな道路から少し路地へと入った場所なので、大きな道路に出て道沿いに走るのが定番ルートだった。

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沢山の車やトラックが行き交う道路

「ごみしゅーしゅーしゃ！」

「パンダトラックいたー！」（引っ越し業者のトラック）

などなど…本日も男子二人は大はしゃぎ。

途中、信号が変わりそうだったので停まって待つ事にした。

その間も男子二人は絶え間なく話しかけてくる

・・・

いや、前にいる次男だけだな(・・;)

「どしたー？寒い？」と、後ろに声をかけた。

「うーうん、寒くない。ねぇ、母ちゃん…あの隣の車の人…お首苦しくないのかな？」

唐突な質問に長男の視線の先を辿ると、並列して信号を待つ一台の車。

朝なので運転席まで見える。

男性が普通に信号を待っている。変わった様子は見られない。

今朝も寒かったからかな、車の中だけど少しくすんだ肌色のネックウォーマーをしていた。

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ネックウォーマー？

前から途中まで横に線が入ったデザイン・・・か？

よく目を凝らして見直してみる。

後ろのヘッドレストまで肌色が伸びていた。

・・・

え？

ネックウォーマーって、ヘッドレストごと被るものだっけ？

さらに目を凝らして見直してみる。

・・・

shake

手だ！！！

後ろから男性の首にかけて手が伸びてる！！

その手はしっかりと首を掴んでいた。

後部座席は伺えないが、後の人が首を掴んでいるのだろうか・・・

そういう運転プレイ？

にしても、後部座席から掴んでいるとしたらもう少し手首から腕の方まで見えると思うのだが…

どう見ても、ヘッドレストより後ろ…つまりシートより後ろには伸びていない。

separator

手だと理解するまでは一瞬の出来事だったと思う。

頭の中は「？」でいっぱいなのに、私の身体は完全に硬直していた。目が離せない…動けない…

とても信号待ちが長く感じられた。

「ねぇ、母ちゃん…苦しくないのかな？」

心配そうに呟く長男の声をかき消すように、アホみたいに明るくハイテンションな声が前から響いた

「ミドリなったよーー！しゅぱつしんこー！」

shake

！！！

驚きと共に弾かれたように身体が動いた。

「フウガ！（長男の名前）見なくていい！」

直感的に、咄嗟に出たのがその言葉だった

「え？でも・・・」

「走るよ！！」

猛スピードで漕ぎ出し、その車と並走しないように別の道へとルートを変えた。

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あれは・・・何だったんだろうと今でも悩みます

私は、子供が見て感じている同じ目線に立ったのだろうか。

・・・

人って、衝撃映像を見ると固まるんですね

(；´_ゝ`)

これが心霊的な物なのか、本当に後ろから首締めプレイなのかは・・・謎です。

今まで一度もあからさまに見たことはないので…