これは友達の家にいる時に聞いた話。
その友達が住んでる家はとてもじゃないけど「いい家ですね」なんてお世辞を使えるところじゃない。
上からの音がちょくで漏れたり、すきま風は酷いし、日当たりは良くない。
そんな所に住んでいる友達、仮にAとして、そのAと家の話になった。
「お前んちに泊まっても、俺の家から近いからあんまり意味ねえよな。」
A「確かに。まぁ俺は別に泊まるんだったらいいけどね。でも怖がりならやめといた方がいいと思うよ。」
その言葉の意味がわからず「なんで?」って聞いたんだ。
そしたらAは「今俺の部屋がここだろ?それでちょっと横に行くと、台所の境目ですりガラスがあるだろ?ちょうどお前の左側に。そのすりガラスに時々幽霊みたいなの映るから。」
それで「はぇ?」みたいな反応したら、
A「お前嘘だと思ってるだろ?本当だからな。俺、時々家にひとりになる時があるんだよ。家族皆出払ってて。その時に、台所の所に影が見えたんだ。誰か帰ってきたのかな?って思ってちょっと見てたんだよね、そしたらその影が消えて、また後ろの方からすりガラス越しに台所に向かっていくんだ。」
だから嫌っだったら別にいいけどね。
ていう言葉を付け足して「小便」っていってトイレに行っちゃったんだ。
遠まわしに「泊まりに来んな」って言われたのかと思ったけど、割と真剣に話すAの顔が頭に浮かんで、寒気が立った。
それからその話はしてない。
というか出来なかった。
なぜならそのトイレに行ったAは今も戻ってこないから。
どこいったんだろうね?A。
今だったら「怖い話してトイレに行って迷うなよ。」なんて笑い話に出来るけどね。
そういう話でした。
作者片隅
こんにちは、こんばんは片隅です。
みなさん分かっていると思うけれど、オチは作り話です。
けれど、それ以外はほとんど事実です。
という訳で、この話を聞いてくださった皆様に。こういう怖い事がおきますように、心より願っています。
それではまた会いましょう。