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中編7
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黒い穴

初めての投稿になりますので皆さまお手柔らかに…

私は家族4人(父、母、私、弟)で滝の上に建ててあることで有名な旅館に泊まりに行くことになり、ペットも大丈夫というので愛犬リュウも一緒に連れて旅立ちました。

旅館に付きチェックインを済ますとリュウを連れて庭を散策することにしました。

しばらく散策して疲れたので旅館に戻り館内をウロウロしてると、どこからか水が流れる音が聞こえてきたのでそこへ向かいました。

そこには川が流れていてこれが滝に繋がってるのか?!それにしても不思議な作りだなぁとその時はさほど気にもせず川の側でリュウの隣にすわり川をぼ〜っと眺めていました。

ちなみに川の幅は2メートル、長さは5メートルくらいで川上と川下にはトンネルがあり高さは1メートルくらいです。

しばらくすると横で伏せていたリュウが急に立ち上がり川上のトンネルの入り口に向かってワン!と吠え川を掘り始めました。

川は浅いので溺れることはないのですが、あまりにもおかしな行動なので気になって

「リュウ〜、何してるの?」

と、側へ行きリュウの足元を覗き込みました。

「…えっ?」

私は一瞬何を見たのか理解できずリュウが掘っている足元から目が離せずにいました。

そこには白い肘から先だけの手がゆらゆら川に揺られていて、リュウはその手を捉えようと必死で掘っていたのです。

それを理解した時、手がトンネルの中へヒュッと引っ込み

同じタイミングでリュウが川下のトンネルへ吹っ飛ばされ、

リードを持っていた私までトンネルの中へ引き込まれました。

トンネル内は意外と明るく出口も遠くなかったので先の景色を見る事ができたのですが

おかしなことに出口までの間に黒い穴がぽっかりと空いていて

リュウはその穴に吸い込まれ

私の右足がその穴に入ったと同時に穴が閉じてしまいました。

私の右足に変化はなくそのまま川に流されトンネルの出口から落下し川底に叩きつけられ気絶しました。

実はこの川

川上は浅いのですが川下のトンネル内は流れが急でしかもその先は滝に繋がっていて私はその滝から落ちてしまったのです。

しばらく流され気がついた私は自力で川から脱出し近くにいた老夫婦に助けを求めました。

すると、

「お嬢さん大丈夫か?凄い音がしたけど何をしたんや?」

と、おじいさんが心配そうな目で私を見つめていました。

私は山の上を指差し

「あの旅館に泊まりに来たのですが、館内の川に愛犬と一緒に流され私だけここに辿り着きました。」

と、助けてくれたおじいさんに話すと後ろで聞いていたおばあさんが黒い袋を私に差し出し

「その話が本当ならこれはお嬢さんの愛犬じゃないか?」

と言い袋の中が見えるようにこちらへ向けました。

「…ヒッ!!」

私は袋の中身を見た瞬間その場で嘔吐し何が起きたのか理解に苦しみました。

愛犬のリュウは骨だけになり私が買って首につけた首輪がそこに一緒に入っていました。

「なんでこんなことに…リュウ……」

泣きながら袋を抱きしめる私を見て何があったのか話してくれとおじいさんが言いました。

川に白い手があってそれをリュウが必死で取ろうと掘っていたらトンネルに吸い込まれ

トンネル内に空いた黒い穴にリュウだけ吸い込まれたことを簡潔に話すと2人はわかっていたのかやっぱりといった顔をして

「その手をお嬢さんは触ってなかったから助かったんだよ。愛犬が守ってくれたんやね。」

とおじいさんが話してくれました。

この辺りには何度か人が行方不明になりその度川に骨が流れてきて行方不明の人は必ずあの旅館に泊まっていた客だった。

そしで今回は動物の骨と生きた人が流れてきたので驚いていた、今までどうやって骨になって流れてきたのかがやっとわかったということを話してくれました。

その後警察が来て軽い事情聴取があり旅館に戻った頃には日も暮れ

心配していた家族と旅館の方々に事情を説明し

翌日近くにあるお寺へお祓いしてもらえるように手配し

女将さんには愛犬のリュウには申し訳ないことをしましたと深々と頭を下げられ部屋に着いた時にはドッと疲れが出てお風呂に入るとすぐに眠りにつきました。

眠りについてしばらくすると右足が急に痛みだし穴に入ったことをすっかり忘れていたことを思い出しました。

あまりにも痛いので起き上がり右足を確認しようと布団をめくると、そこには昼間見た肘から先だけの白い手がしっかりと右足を掴んでいました。

「…!」

人間驚くと声が出ないもんで身体が硬直しただただそれを見つめるしかできなくなっていたとき

「あの犬は骨ばっかで美味くなかったぞ。次はお前だな…フフフ…」

と耳元で囁かれその瞬間気絶しました。

翌朝例のトンネルでお祓いが行われ私もそこで一緒にお祓いをしてもらい夜中の出来事をお坊さんに伝えると

「大丈夫。あなたのご先祖様が守っていらっしゃいますし亡くなった愛犬も側についているのであなたには何もできないでしょう。でも、あなたはここにいないほうがいい。今後来ることもやめたほうがいいでしょう。」

と厳しい顔をしながら言われ、私達家族みんな顔を見合わせ荷物を纏めてすぐに旅館を後にしました。

そこでは詳しい話を聞けなかったので旅館を出てすぐにお寺へ向かいました。

そこで話してもらったことは私の人生を大きく狂わせるとんでもない内容でした。

お坊さん曰くあの場ではああ言うしかなかった。力及ばず申し訳ない。

トンネルの黒い穴は地獄につながっておりあなたの愛犬はそこで魂ごと食べられてしまい、あなたの右足も地獄へ繋がっており次にあの穴を見たら愛犬と同じことになる。

それを聞いた瞬間家族は泣きくずれ、私は泣くことも忘れ魂がぬけたようにぼ〜っとすることしかできませんでした。

それからしばらくして私はあの出来事のことを忘れ結婚をし子供も2人授かり平穏な日々を送っていました。

下の子供が3歳になりはっきりと言葉がわかる程度に話せるようになると

「ママ…ワンワンいる…」

と寝る前に天井を指差すようになりました。

その頃同じくして私は毎日同じ夢を見るようになりました。

死んだはずのリュウが遠くで吠えているのです。

こちらに来るわけではなくただただ遠くで吠えてる。

私はリュウに触りたくて近づくけど距離が一定のまま近くに行けない。

そんな事を一年近く繰り返すうちに

だんだんとリュウが近付いてきて吠える声も大きく聞こえるようになりもう少しで触れるって所まできていました。

そのことをたまたま遊びに来た母に話すと顔面蒼白になりすぐにお寺へ連れて行かれました。

「あんた…リュウに何があったかわすれたんか!子供らまだ小さいのに置いて行くんか!」

と泣きながら母に怒鳴られやっと私はとんでもない状況にたたされていたことに気付きました。

あの黒い穴の主が私を迎えにすぐ近くまできているのです。

お坊さんはあの時のお坊さんで出来る限りの事はしますが守りきれる自信がないと不安な表情で私を見ていました。

その日からお寺で寝泊まりするようになりあの夢を見ることもなくなりました。

2週間お寺でお世話になりもう大丈夫と勝手に判断した私は家のことが気になるので1度帰りたいことを伝えるとお坊さんに反対されました。

でもなぜか帰らなければいけない気持ちになりお坊さんの制止を振り切り家に帰りました。

その夜久しぶりに帰宅した私の側には可愛い我が子。

その日は何事もなく朝を迎えまたいつもの生活に戻れると思っていました。

その日の午後家の電話が鳴り

「もしもし」

「もしもし。私○○寺の○○と申します。」

「え?あ…はい。」

いつものお坊さんの名前ではなかったのであのお寺からってことに気付くのに少し時間がかかりましたが相手が慌てている様子だったので話を聞くと

いつものお坊さんが今朝から行方がわからず知らないか?という内容で

「こちらには来てませんが来られたらまた折り返し連絡します。」

と返事をして電話を切りました。

昨日無理して帰ったので連れ戻しに来るのかな?と思いつつも何だか胸騒ぎがしていました。

何事もなく夜になりお坊さんのことは気になりながらも子供たちを寝かせているとウトウトしてしまいいつの間にか夢を見ていました。

暗い場面だったのが急に眩しい光が走り目を開けるとそこにはリュウがいました。

リュウは私の顔を見てワンっと吠え私が頭を撫でると触ったところからドロドロと肉が溶け出しあっとゆう間に骨になりました。

「えっ?リュウ!リュウ〜!」

と叫ぶと同時に

「よかったなぁ。あの犬と会えて。それにしてもあの坊主邪魔だったなぁ。面倒くせえからあいつから先に食ってやったぜ。」

「え?」

「それに俺様優しいからお前は家族と一緒に纏めて食ってやろうと思って手をかけなかったけどよ…お前が馬鹿でよかったよ。」

…背中がゾクリとして全身冷や汗をかいているのがわかった私はバッと起き上がり目を開けた。

慌てて両サイドで寝てる我が子を確認しスヤスヤ寝てることにホッと胸を撫で下ろした瞬間身体が金縛りにあった。

「…ぅぅ……」

声にならぬ声をだし唯一動かせる目を部屋のあちこちに向け最後に天井を見ると

そこには大きな黒い穴が…

「…ひっ…。」

叫びたいけど声にならず動きたいけど身体はゆうことをきかない。

どうにもならないもどかしさで涙がポロポロこぼれた時

「時間だ。」

耳元で低い冷たい声で囁かれた瞬間我が子の身体が黒い穴へ吸い込まれて最後に残った私が絶望した顔をしたのを確認したら

「その顔…その顔をした人間を食らうのが1番美味いんだよなぁ。」

と穴から声が聞こえ私の身体も吸い込まれ跡形もなく消えた…

翌朝

「本日未明○○市○○町の川で白骨死体を発見。地元警察によると少なくとも4人の遺体が見つかっており身元の確認を急いでしているということです。」

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フ、フヘヘ…、怖すぎて笑いが…T_T

初投稿でこの怖さとクオリティとは…、すごい才能を持っているのかもしれませんね。今後も期待しております(-_-)

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りこさま…私…変た○は認めますが変人ではござ〜ません(笑)
てへヾ(✧﹃✧ )ノ

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