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俺は飛行機によく乗る。
今日もこれからカナダに行くんだ。
もちろん、遊びにではなく仕事で。
でも、昼食をとってからどうも具合が悪い。吐き気がする。
隣の席の同僚も顔色が悪い。
「おーい、大丈夫か?顔色悪いぞ?」
「お前もな」
「気持ちわりぃ」
「俺もだ」
「ちょっと横になりたい。つーか早く楽になりたい」
「抜け駆けはずるいぞ。それに仕事どうするんだよ」
「どうかなさいましたか?」
扉が開いてCAが入ってきた。
彼女はソラ ナカタ。可愛いジャパニーズだ。何度もこの飛行機に乗るうちによく話すようになっていた。
「実は俺達、具合悪くなっちゃって」
「大変!」
ソラは俺達よりも青い顔をした。
こんなに心配してくれるなんて、もしかして俺に気があるのか?
「うっぷ…」
ヤバい…くだらないこと考えてる場合じゃない…
同僚はすでに前に突っ伏して荒い呼吸を繰り返している。
俺もそろそろ限界…
俺は死を覚悟した。
作者千月
またまた意味がわかると怖い話です。
今回は難易度を少し上げてみました。