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オカルト研究部員神田慶介の日記 No.2

短編2
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オカルト研究部員神田慶介の日記 No.2

その日は、とにかく熱かった。

暑い、ではなく熱いという漢字のほうが似合う。それくらいに熱かった。

灼熱、猛暑、炎天下、いくつ並べても表せないほどに熱かった。にも関わらず、僕の部屋にはクーラーが無かった。その上風通しの悪い部屋だった。

だから、僕は外にでたのだ。

外にでるとまるで肌に熱したフライパンでも押し当てられているような感じで、肌はジリジリというか、ジュウジュウと焼かれているようだった。

しかし、外にいようとなかにいようと、照り焼きにされるか蒸し焼きにされるかの違いで、それだったら風が吹くことのある外のほうがいいと勝手に結論づけて、地獄の釜ような街中をさ迷いはじめた。

結局、僕の「少しは風も吹くだろう」という考えは大間違いで、その日はまったく無風だった。

仕方ないので、歩いた。

歩いて歩いて歩きまくって、気がつくと僕は知らない場所に来ていた。

脳まで溶かされてしまうような熱線を浴び続け、思考もままならない状態であったが、どうやら本能、それも人間の本能はどこか涼めるところを求めていたようで、僕が居たのは両脇を木々に囲まれた、舗装もされていないあぜ道のような場所だった。木陰になっている上に、そこは街中と違い風通しが良い。

涼しい風が吹き込んできて、とても快適だった。

そのあぜ道を進むと、ちいさい広場のような場所にでた。

自然に出来た崖に高台のような形で作られたようで、僕の住む街を一望できた。

その広場のような場所は、本当に小さく、あるものはベンチと自販機。

それと崖から落ちないよう設けられた柵だけだった。

そして、設置されていた二つのベンチの内、手前にあるほうのベンチに、「彼女」が座っていた。

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そこが、僕の彼女「だった」女性、麗子との出会いの場所だった。

そして僕は昨日まで、ずっとそこにいた。

通夜を終え、友引だった為に1日引き延ばされた葬儀を終え、僕はその、彼女と出会った場所に来ていた。それから丸一日魂でも抜けたかのようにボーっとしていて、深夜になってから家に帰り、それからやっとのことで泣き始めた。

泣いて、泣いて、いつの間にか寝ていた。

そこまで来て、やっとのことでものが考えられるようになった。

考えなければならないことはいくつかある。

まずは、彼女の遺体が無かったことについてだ。

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