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従兄弟の話。
今回は、私、みやの従兄弟のお話をさせて頂きたいと思います。
どうぞお付き合い下さい。
私の従兄弟、名は竜兎(りゅうと)。姉に言わせると、顔は可愛いと格好いいの中間。ルックスはとにかく姉が大絶賛で、年代問わず受けがよく、面倒見のいいハイスペック。私と同学年(歳は一つした)ですが、家等では私をお兄と呼びます。
そんな竜兎は、オカルト方面でもハイスペックなようで。
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私が高校生の時、何時ものように、
青春したい等とほざいていた私に、
竜兎が「好きな子でもいるの?」と聞いてくる。
そこで私が「まぁ、見込みは無いけどな」と答えると、
「そっか。でも小野谷さんもお兄の事好きだと思うよ」
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私は耳を疑いました。小野谷さん、私が当時好きだった人です。
ですが彼にその話をしたことなど一度も無かったのです。
私が、「何で竜が小野谷さんの事好きだって知ってるの?」
と聞くと、
「あれ、なんでだろ。気付いたら口から小野谷さんって単語がでてたんだ」
と笑っていました。
それから数日、竜兎の言葉が妙に心強く、
私は小野谷さんに告白をしました。
すると彼女の口からは、「私も、宵都君の事好きだったんだ。」
とまさかの衝撃告白。
私は内心舞い上がっておりました。
それからも、竜兎は度々、予知的なことを言っていました。
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そして次は修学旅行時。私と竜兎は同じ宿泊班で、その他のお調子者男子達と枕投げなんぞやっておりました。(途中から備品の八橋投げが始まった)
すると、女子がわの廊下から悲鳴。ガヤガヤ騒がしくなる廊下。
お調子者が女子の部屋へ向かい、私も竜兎とそちらへ向かいました。
すると、小野谷さんがこちらに来て、
「ユウリちゃんが女の人見たって言ってる、、」
と言ってきました。それを聞いた私が室内に入ろうとすると、
竜兎に止められ、何やら文字の書いて有る紙きれを渡され、
「この部屋ではそれ、手放さないで」
と言われ、大人しくそれを握って入室。
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竜兎は部屋を見渡し、
ジャージのポケットから取り出したなんかの付録みたいな小さいがま口から
塩?を取り出して部屋にぱらぱら。
そして、小さい声でブツブツ呟き始めました。
耳を澄ましたら般若心経でした。
その後、何事も無かったように部屋を後にしました。
部屋に帰ると竜兎はお調子者の一人の高橋君を見て、
「高橋くん何連れてきてるの、駄目でしょ、こっち来て」
と高橋君を室外へ引きずって行きました。
余談ですが、入室の際の紙切れは、私が引き付けやすいので持たせたんだとか。
そのほかも、ストーリーになりそうな話がいくつか有るので、シリーズ化させたいと思います。
お付き合い頂き、ありがとうございます。
作者宵都 みや
ハイスペック従兄弟のお話。