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初めまして。宵都 みやと申します。
今回が初の投稿になります、拙い文章ですがご容赦下さい。
これは私の実体験になります。
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数ヶ月ほど前、突然の思いつきで
私は夢日記なるものを始めました。
最初の数日は夢を見たり見なかったり
内容を朧げにしか覚えていなかったりと
普段と何ら変わりませんでした。
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ですが、一週間ほど経つと、変化が現れます。
明晰夢を見る頻度が上がるのです。
明晰夢というのは、妙に感覚がリアルだったり、
夢の中でも意思を持って動いたりできる夢のことです。
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その夢の中、有るときはひたすらに小路を歩いていたり、
また有るときは暗い箱のような空間に見覚えの無い女と二人。
その女にじぃ、と見つめられていたり。
リアル故に何だか気持ち悪かったです。
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さて、そんなある日、また私は夢を見ていました。
従兄弟と二人、手首にアイスの入ったコンビニの袋をぶら下げてあるいています。
と、従兄弟が十字路の向こうに猫を見つけたらしく、
「あ、お兄、猫がいるよ」
嬉しそうに道の向こうへ走って行きました。
私も後に続き、歩きだそうとしたときでした
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ギュイイイイッッ、ゴシャァッ!!
shake
けたたましい音を立て、銀色の塊が目の前を通過しました。
数秒、頭の中を整理できずに立ち尽くしていましたが、
従兄弟の事を思いだし、慌てて道の向こうへ走りました。
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立ち止まった私の眼前には、大きな鉄の塊と、
その下からじんわりと広がる赤黒い液体。
辺りを見渡しても従兄弟の姿は見つからず、
私は足元に広がりつづける赤を呆然と見つめ、手から袋を落としました。
足首に当たる、冷たく、ぐんにゃりとした溶けかけたアイスの感触に、
私は目を覚ましました。
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朝から気分が悪い、と私はベッドから這い出ました。
その日は丁度、従兄弟の家へ行く予定だったので、尚更不快感と不安が大きかったのです。
「ねぇ、お兄、アイス買いに行こ。」
一通りゲームなんかで遊んだ後、従兄弟が言いました。
「え、叔母さんがパ●コ買っといてくれたじゃん」
私が言うと、「俺ガ●ガ●君食べたい。コンビニ行こーよ。」
と、財布を用意し始めました。
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仕方ない、と私も軽く支度をし、家を出ます。
コンビニでお目当てのアイスを買い、帰路に着いたとき、
十字路で従兄弟が声を上げます。
「あ、お兄、猫がいるよ」
聞き覚えのある台詞、
「竜、危ない」
走りだそうとする従兄弟の手を、
私は咄嗟に掴みました。
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目の前を大型トラックが通りすぎます。
従兄弟は目をぱちくりさせていましたが、私は安堵感でその場に崩れ落ちてしまいました。
「お兄ありがとう、大丈夫?」
私を心配そうに覗き込んだ従兄弟に、大丈夫と伝え立ち上がろうとすると、耳元で小さな舌打ち、次いで女の声が
「つぎは あのこを もらう にどめの ゆめが さいごと おもえ」
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以来、夢日記はやめて仕舞いましたが、最近も稀に明晰夢を見ることがあり、
次に従兄弟の身に何か有る夢を見れば
もう助けることは叶わないかも知れないという
妙な確信があり、就寝前は何時も気が気ではないのです。
以上が体験談です。お付き合い頂き、誠にありがとうございます。
読者様の中に、そのような体験をされた方はいらっしゃいますでしょうか?
作者宵都 みや
私が夢日記を付けていたときの実体験です。どうぞお付き合い下さい。