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こんにちは、最近社畜となりつつ有るみやです。
今回は、何時もの従兄弟の話ではなく、昔近所に住んでいた双子の話を。
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その双子、凛(リン)と心(シン)とは本当に小さな時から、私を含め三人で良く遊んでおりました。
まぁその二人も、家系的に“見える人”なのですが。
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私が彼等と共この体験をしたのは高校生の時。
仲良く三人でグレてた私達は、
夜遅くに肝試しなんかしょっちゅうやっていました。
その日も少しマイナーな心霊スポットである寺へ足を運びました。
低めな山にあるその寺へは双子のバイクで向かいます。(私は2ケツ)
中腹の道が狭くなる辺りでバイクを降り、そこからは徒歩で舗装されていない藪の道を進みました。
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しかしそれなりに歩いても寺らしき物は見えず、
不安になった私が「なぁ凛(兄)、道間違ってんじゃねぇの?」ときけば、
「いや、もーちょいのはずなんだけど」
と目を泳がせる凛。
コイツ迷ったな、と、思っていると心(弟)が「なんかあったんだけど、来てくんない?」
と私達を呼んだので、とりあえずそちらに歩いて行きます。
行き着いた先は小さな祠のある場所。
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祠はすっかり苔蒸していて、その周りには竹を何本もしめ縄で束ねたような物が四方に一本ずつ立っていました。
「んだこれ、流石にヤバくねぇか?」
この光景を見て凛が帰ろうと促しますが、心は一向に聞き入れず、祠を開けようとすら言う始末です。
「ね、ね、祠開けたら帰るからさ、」
としつこく食い下がるので私と凛は根負けし、祠を開けるとこに。
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重たくてかび臭い、苔だらけの扉をあけると、中には
木の鞘に納められた短刀と、緑色のまがたまがありました。
短刀の鞘には何やら想像もしたくない赤黒い染みがついていて、
それに反してまがたまは美しく輝いていました。
流石に気味が悪かったのか、心も後退ります。
と、そのとき、
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キキキキキ、、、ギュ、ケキャキャキャ!!
と、不気味な声とも音とも付かない音が藪の中に木霊しました。
これは流石にまずい。早く帰ろう。
私達は急いでもと来た道を走りました。
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取り敢えず一旦、一番近い二人の家に上がらせてもらうと、玄関先にお爺ちゃんが来ました。お爺ちゃんは私達を見るなり、「風呂入りぃ、」と短く言ってきびすをかえしました。
私達は急いでお爺ちゃんについて行くと、大の男三人で入るには少し狭い風呂場に押し込められ、頭から酒をかけられ、塩が一袋くらい入った風呂に入れられました。
風呂から上がると、菖蒲を一束ずつ渡され、寝るときに持って寝ろ、と言われたので三人仏間で菖蒲抱いて寝ました。
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それから何度か、お爺ちゃんにアレは何なのか、と聞きましたが教えてくれませんでした。「お前らはしらんでいい。」の一点張りでした。
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因みに、その双子とはまだ交流もあり、たまに遊びに行きますが
心霊スポット巡りはやめました。
やめた理由について、凛は「ホラ、心霊スポットって要は霊の家見たいなもんだろ、心霊スポット行くのは不法侵入みたいなもんなんだよ、多分」
と語っていました。
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お付き合い頂き、誠にありがとうございました。
作者宵都 みや
幼なじみの双子と肝試しに行ったときのお話