やっとの思いで○○大学に入学し念願の一人暮らし、念願の東京ライフ、そして理想の彼女・・・と色んな気持ちを胸に入学式を迎えたんですが
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入学から半年、彼女どころか友達すら出来ず唯一の楽しみは深夜に放送されてるバラエティ番組を見る事だけの有様・・・
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でも、そんな俺の唯一の楽しみすらも邪魔するのが隣の住人(怒)
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そもそも俺は人見知りだから引っ越しの挨拶なんて絶対行かねえし、外で挨拶されたって当然の無視と言うかどんな奴が住んでるのか顔すら知らねえし
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そんな態度も気に入らなかったのか大音量で深夜テレビ見てるといつも決まった時間に隣からの
「ドンッドンッドンッ!!」
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でも一定の時間が過ぎると何の物音もしなくなるんで、ずっと大きな声で笑ったりしてたんだけど、さすがに向こうも腹立ててきたのか「ドンドン」の回数が増え更にこっちに向かう足音まで聞こえ
それでも怒鳴りに来ることはない
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つまり俺を怒鳴りたいんだけど結局怖くて何にも出来ない(笑)じゃあ逆に俺が文句言ってやろうと隣のドアをドンドン叩きながら、
「文句があるなら直接言えやーッ!!」
と怒鳴りつけこれで隣もおとなしくなるだろうと部屋に戻ったんですが
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次の日もまたその次の日も音は全然鳴りやまない。それどころか俺が普通に寝てる時にまで「ドンドン」と壁を叩く始末、そして足音も・・・
最初は強気だった自分も段々怖くなり管理人のばばあに電話して隣の事を聞こうとするが肝心のばばあの電話番号を知らない
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と言うか全て親任せだったんでアパートの事は全く知らない、友達を呼ぼうにも友達がいない、知り合いもいない、東京に来てから誰とも会話していない。
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俺は生きてんのか?
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と、急に自分が情けなく哀れに思えたのと同時に隣人にした数々の失礼もこの人だけは俺の存在に気付いてくれてるんだと言う嬉しさの裏返しだったんだと気付き
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今までの失礼を謝り
素直に友達になって下さいと自分から勇気を出そうと心に決め大粒の涙を流しながら母親から管理人の電話番号を聞き
隣人の話を聞き出そうとすると
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「隣は誰も住んでいないよ」と言う管理人からの素っ気ない返答
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「じゃあ俺は誰と喧嘩してたんだ?」
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とその隣の部屋、又その隣の部屋とインターホンを鳴らしても今までの俺の迷惑行為から誰も相手にしてくれない
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そして先とは違う感情の涙を流しながら布団をかぶり無理やり眠ろうとしてると
また「ドンドン」と言う音
そして俺の部屋に一歩づつ近づく足音
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そして俺の真横で立ち止まった霊が耳元で
「番組名教えろやーッ!!」
それ以来僕はテレビを見ることをやめました。
作者DQ