これは、友達から聞いた話しだ。
二年ほど前、その友達(レンとしよう)がバイトから帰ろうとした時、女にぶつかったんだ。
その女は、髪が長い気味の悪い奴だったという。
レンは軽く謝ってすぐにその場を離れようとした。
そしたらその女がレンの方見て、ニヤニヤ笑いながら何かつぶやいていたそうだ。
レンは怖くなって、急いで家に帰った。
その日からレンはいつも変な視線を感じるようになった。
いわゆるストーカーって奴
レンも警察に何度か相談したらしいんだが取り合ってくれなかったらしい。
日に日にストーカーはひどくなっていった。
家の前にレンの写真が大量に置いてあったこともあった。
怖かったがバイトは休むわけにもいかず、毎回行っていたそうだ。
そんなある日、レンはついにあの女に会った。
逃げようかとも思ったが、一言、言ってやろうとレンは思った。
レン「もうやめてくれ。ストーカーなんて。」
女「…」
レン「なんか言えよ。」
女「…」
しばらく沈黙が続いた。
女がなにかつぶやき始めた。
その声は少しずつ大きくなった。
女の話している内容が分かった時レンは恐怖した。
女「スキ!スキ!スキ!スキ!スキ!スキ!スキ!スゴクスキ!結婚!結婚して!お願い!!!幸せにして〜〜!、」
こんな感じだったらしい。
レンはすぐに逃げた。泣いたらしい。
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それからしばらくしてレンの家のチャイムが鳴った。
ドアを開けると警察が立っていた。
レン「あの…どちらさまでしょうか?」
この後はドラマとかでよく見る警察の挨拶だったらしい。
警察の話しをまとめるとこんな感じ。
-女が自殺した-
-遺書にレンの名前が書いてあった-
-自殺の原因はレンに振られたから-
まず、レンに振られたから死んだというのも後味悪いし
なぜレンの名前を知っていたのかがわからない。
その夜はレンは震えて寝たらしい。
夜中の二時くらいだったという。
またレンの家のチャイムがなった。
レンは目を擦りながらインターホンを見た。
インターホンには青白い女の顔が写っていた。
明らかにあの女だった。
女は口を開けた。
「ダ、イ、ス、キ!HAAAAAE!!!今!今!今行くねええええ!スキ!スキ!スキ!スキ!スキ!スキ!スキEEEE!」
玄関の方から変な音が聞こえてくる。
ガリガリガリガリガリガリガリ…
女が窓を削っているのだ。
レンは泣きながら叫んだ。
「来るな〜〜!」
音がピタッと止んだ。
レンはその場で倒れた。
気付いたら朝だったそうだ。
そして今でもレンはあの女に怯えているという。
作者山サン
実話です。