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中編3
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仲間

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「今日の朝方、路上に何十箇所も刺され死亡した、〇〇さんの遺体が発見されました。」

最近、テレビでは通り魔事件のことばかりやっている。

おかげで私の好きなド〇えもんも、通り魔特集で潰れてしまった。

「お母さん、買い物行って来るから。」

母さんが買い物に行くみたいだ。

「行ってらっしゃーい。」

母さんが行ってから一時間ほど経った。遅いな。

プルルルル…

電話だ。

「もしもし、〇〇(私の名字)です。はい…はい。え?」

気付いたら警察が周りにいた。

「ご家族の方だ。」

「大丈夫かい?」

この人達は何を言っているんだ。

そうだ。思い出した。

母さんが死んだんだ。

通り魔に殺られて。

通夜が終わった。

父さんが泣いている。

これは現実なのか?

「大丈夫?〇〇ちゃん。」

リナが話しかけてきた。

リナは私の昔からの親友。

優しいけどいつもつまらなそうにしている。

「大丈夫。」

そう答えたら急に涙が溢れてきた。

「絶対にブタ箱にぶちこんでやる。」

「私も手伝うよ。〇〇ちゃん。」

リナが言った。

とりあえず、今まであった通り魔の現場に行ってみた。

結果から言うと、何の手がかりも得られなかった。

いや、一つだけ行っていない所がある。

母さんが死んだ所だ。

行く途中にお婆さんがいたからその日のことについて聞いた。

「怪しい人とか通りませんでしたか?」

「いや、通らなかったよ。あなたのお母さん?と、学生さんだけしか通らなかったよ。」

「そうですか…」

そうやっているうちに暗くなってきたのでその日はそれで帰った。

またしばらくしてからリナと一緒にそこに行った。

「リナが来ても、何にもなんないよ。」

「えへへ」

着いた。

トンネルだった。

「懐かしいなー」

リナが言った。

「え?リナ、ここに来たことあるの?」

「うん。」

「へ〜」

しばらく手がかりを探していると赤黒いシミがあった。

「ここで母さんが…」

「どうしたの?」

リナが駆け寄って来た。

「ああ、まだこれあったんだ。」

「え?」

「こないだここで遊んだんだ。」

「まさか…」

「そう。人で遊んだんだ。」

「お前が…。仲間だと思ったのに…。殺人鬼め!」

私は泣きながら叫んだ。

「え?なんでそんなこと言うの?私は遊んだだけ。」

「フザケンナ!お前しかいねーだろ!」

「違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!」

そう言ってリナはポケットからナイフを取り出した。

「違う!」

リナがこっちに向かって来る。

リナは私に掴みかかると私の腕を刺し始めた。

「ガッ!やめろ!痛い。」

意識が遠のいていく。

「おい!何をやっている。」

その声が聞こえた時、意識が途切れた。

気付くと病院だった。

テレビをつけると通り魔が捕まったことが報道されていた。

ああ、捕まったのか。

後で知ったのだが叫び声を聞いたお婆さんが通報したらしい。

なんだか虚しい。

どちらにせよ、母を失った悲しみは消えなかった。

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