人はなにかあると神やら儀式やらに頼ろうとする。
今回は儀式に頼りすぎたため、化け物の餌になってしまった人の話。
このまま第三者として語るのも良いが、
今回は被害者の立場に立って語ろう。
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私は、とある大学の心霊関係のサークルに入っていた。
皆怖い物見たさで入っているようなサークルだった。
それなのに本当に心霊スポットに行ったり、コックリさんをやったりするのはほんの数人だった。
ある時、私はサークルが終わったら、いつもどうり飲みに行こうと思い、
皆を誘おうとした。
そしたら活動するメンバーの中心的な人物であるコウが
私の話しをさえぎるように言った。
「新しい情報仕入れてきたぞー」
もちろん情報とは心霊関係のことである。
どうせまたガセネタだろうとそこにいる人全員が思っただろう。
コウの情報はいつもガセネタだ。
「よし早速やろうぜ!」
コウが威勢良く言う。
「やるって、なにを?」
私は不思議に思って聞いた。
「NEWコックリさんだよ。」
コウがにやりと笑う。
NEWコックリさんについてまとめるとこんな感じ。
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-途中までは普通にコックリさんを行う。-
-三つ質問したら「コックリさんの歌」とやらを歌う。-
-歌ったら三つ以上質問ができる。-
-もし失敗したら十円玉に塩をかけ、「コックリさんの歌」の二番を歌う。-
その話を聞いて、だいたいの仲間は帰ってしまった。
私も帰ろうと思って荷物をまとめていると、
コウが私の肩を掴み「〇〇(私)は、やるよな?」と言ってきた。
そんなこと言われたら、断れない。
結局、私もやることになった。
残ったのは私、コウ、怖い物が好きなスズとケンの四人である。
スズは女の子だから守ってあげよう、とか言いながら準備をした。
ちなみに私は男だ。
机に紙と十円玉を置き、その四方に皆が座る。
コウが行くぞと言うと、皆十円玉に指をそえた。
「コックリさん、コックリさん、おいでください。」
なにも起きない。
「なんだ、嘘かよ。」ケンが言う。
私も嘘だと思い、十円玉から指を離そうと思ったら指が動かない。
私の様子を見て皆も理解したらしい。
「続けよう。」
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とりあえず、三つ質問をした。
驚くべきことに返事はちゃんときた。
問題はここからだ。
私達はコウから「コックリさんの歌」の内容を聞かされていない。
つまり、コウが歌うしかないのだ。
コウは覚悟を決めたのか歌い始めた。
「コックリさんーコックリさんー狐の坊主、いたずらっ子ー、私の願い聞いてくれー」
「よし!これでいいはずだ!質問しようぜ!」コウが言った。
レンが口を開いた。
「僕は、幸せになれますか?」
十円玉が動き始めた。
ナ、レ、ナ、イ、イ、マ、シ、ヌ、
「マズイ!失敗だ!」
コウはそう言って十円玉に塩をまき、「コックリさんの歌」の二番を歌い始めた。
その間も十円玉は「シ」と「ヌ」を往復している。
コウが歌い終わっても往復している。
「ケン!離れろ!」コウが叫んだ。
私、コウ、スズはとっさに離れたが、
ケンは離れなかったのだ。
「ハアアアアア!気持ちイイイイイイイ!なんだか知んないけどいい気持ち!」
ケンが訳のわからないことを言っている。
「皆もきなよおおおおおおお!!ンガッ!?」
その時、ケンの頭が「バキバキ」と音を立て、潰れていった。
血が噴き出し、脳が飛んだ。
「う、うわ〜!!」
私達は必死に部屋から出た。
その時、私は見た。
ケンの死体を喰う「ナニカ」を。
そのままコウの車に乗り、その日は三人でコウの家で寝た。
翌日、コウの家のテレビをつけるとケンの死体が発見されたことが報道されていた。
「ケン…ごめんよ…」
コウは泣きながらつぶやいていた。
作者山サン
誤字脱字が沢山あると思いますが、多めに見てください。