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短編2
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おばあちゃんっこ

ワカさんから聞いた話だ。

時間軸的には前の話からだいぶ経った頃。

色々あって俺はワカさんに懐いていた。

別に恋愛的な感情ではなく、人間としてワカさんに興味があったからだ。

サークルの集まりでなかなか他のメンバーが揃わなかった時、暇つぶしにと話してくれた。

*****

私昔からおばあちゃんっ子だったの。

親が忙しくてよく面倒見てくれたのがおばあちゃんだったから。

幼稚園、小学校、よくおばあちゃんの家に預けられて、中学や高校に上がっても、自分からよく会いに行っていた。

ある日、おばあさんが夢に出てきたの。

おばあさんと外に出かける夢だった。

私が高校に上がる頃、おばあちゃんは足を悪くしてたから一緒にお出掛けは久しぶりで、うれしくて。

しばらくしておばあさんが寒いって言うから、私は上着を買ってきておばあさんに掛けてあげた。

『ありがとうね。○○ちゃん。(ワカさんの下の名前だ)おばあちゃんは○○ちゃんが大好きよ。寂しくなったら、また会いに行くからね。』

そう言って、おばあさんは消えた。

ぱっと目の前から消えたの。

まあ夢だし、不思議でもないね。

そしたらお母さんから電話が来たの。

“おばあちゃんが亡くなった”って。

そこで目が覚めて、寝起きの私はぼろぼろ泣いてた。

なんだかリアルで、怖かった。

*****

「ま、おばあちゃん今も元気だけど。」

「へー。でも、なんだか嬉しいっスね。」

「え?死んでるのが?」

「いやいや。そっちじゃなくて。聞いたことありません?夢に出てきた人は、自分に会いたがってる人って言うのもあるらしいっスよ。おばあさんもワカさんが好きだって事じゃないスか?」

「…へえ。」

俺が言うと、ワカさんは少し笑った気がした。

このぐらいの時に気が付いたのだが、ワカさんは真顔が怒って見えるだけで、実際毎回不機嫌という訳ではないらしい。

睨んで見えるのは、目が大きいからそうみえるだけだった。(もちろん、マジ睨みもあるが)

俺が思いふけっていると、ワカさんがまた口を開く。

「でもさ。」

「はい?」

「夢の中でおばあさんが出たって言ったじゃない?」

「はい。」

「そのおばあさん」

 

 

 

私のおばあちゃんじゃなかったんだよね。

 

 

 

「……え。」

「よくよく考えたら、知らないおばあさんだったの。夢の中では、完全におばあちゃんだと思ってたけど。」

俺がキョトンとしたのを見て、ワカさんはまたふっと笑った。

「…ね、古賀。“寂しくなったら”って、“どっちが”だろうね。」

そう言ったワカさんの笑顔は、嬉しくて溢れた笑顔というより

いたずらっぽく、意地の悪い笑顔だった。

Concrete
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はとさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
好きになっていただけて嬉しいです。
お父様は様子を見に来られたのかもしれませんね。
何年立とうが大事なお子様ですから、大切に思われていることでしょう。

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