怖い話の定番としてタブーというものがある。
やれ○○をしてはいけないだの、やれ○○と口にしてはいけないだののことだ。
毎日鏡に「お前は誰だ」と聞いたら、その人は狂ってしまうなどの話が有名だろう。
しかし、あまり知られていないとても危険なタブーも存在する。
それが「幽霊に絶対言ってはいけない言葉」だ。
ここでその言葉を書いてしまうと、これを見た人が霊を見たとき言ってしまうかもしれないので
その言葉は伏せ字にする。
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俺の友達(Aさんとする)が新しいアパートに引っ越したので、もう一人の友達(こっちはBさんとしておく)とその部屋に遊びに行ったときの話。
部屋の前までついて、Aが中からドアを開けてくれた。
その瞬間からBが、まぁベタな展開なんだが顔色を悪くしてそわそわしだした。
Bは所謂「見える人」なんだ。
俺はビビりつつ
「おいおい、B。もしかしてこの部屋……」
「……まあ、そこまで危険じゃないと思うけど。」
Aはあまりそういうのを気にしないやつなんだが、何かを思い出し、
「あーなるほど。何かがいるんか。納得。」
とか言っているが、ビビリの俺はガン無視。
Bも聞かないふりをした。
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最初こそそんな感じだったが、それから三人で普通にビールを飲み談笑し、いつの間にか気にならなくなっていた。
しかし、夜が深くなっていくとやはり少しは気になりだして、
「しかし幽霊アパートだったとはなあ。確かに安かったけど。」
Aがそんな事を言い出した。
「おい、あんまり変なこと言うなよ。」
「でもBも感じてるしなあ。おーい幽霊さん。いますかー?」
Aはどうやら少し酔ってるらしい。宙に向かってどんどん話しかけだした。
「なんで幽霊になったんですかー?いつからいるんですかー?」
「おいおいやめてくれよ」
「幽霊さーん。○○○○○○○○○」
その瞬間、空気が変わった。霊感ゼロの俺でもしっかり感じたんだ。
Bのほうを見る。
うつむいて震えていた。
そしてもう一度Aを見る。
何故か一気に酔いが覚めたようで、顔を真っ青にしながら目をキョロキョロさせていた。
全員が謎のヤバさを感じ、その日は三人で近くの俺の家に泊まった。
あれは何だったのか。Bに聞いても分からないらしい。
三日後Aは自殺した。
遺書らしきものもあるにはあったが、内容的に遺書では無かった。
そこにはあのとき幽霊に話しかけていた言葉が、そっくりそのまま書かれていた。
そして、それを読んだ警察のうち二人がとても驚いたらしい。
一人はわりとベテランな警察官。
驚いた理由は、少なくとも二十年以上前から、しかも全く別の場所で、この遺書と全く同じ内容を残しての自殺がたまに発生していたから。
もう一人は新人の警察官。
驚いた理由は、昔、彼の友達が廃墟で肝試しをした時、この遺書と全く同じ内容を口にして、
その三日後、やはりこの遺書と全く同じ内容を残して首を吊ったからだ。
作者和一
で、でたーw幽霊相手に調子乗ってひどい目に遇奴~
……あかん