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ひとりかくれんぼと私の友人

短編2
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ひとりかくれんぼと私の友人

中学の頃の唯一の友人の名前はタクマ

私が殺した私の友達だった

今では本当にとんでもない事をしてしまったんだと思っている

あのとき、私が止めさえしていれば死ななかった

……ごめんねタクマ

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その頃の私は学校でのいじめ(今思えばそれほど酷くはなかった)が一番酷かった時期で、二年生の間は上級生にも下級生にも、もちろん同級生にも嫌われていた。

理由はあとで知った。今ではそれほど目立ちはしていないはずだが、私の障害のせいだった。

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あの子はおかしい。

そう言って気持ち悪がられた。

そんな私の唯一の友達が、近所のタクマくんだった。

近所と言ってもギリギリ通う学校が違う範囲だったから、私たちが会うのは放課後と休日だけ。

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彼は私と同じでちょっと変わっていて、でも私と違って人気者で友達もいた。私はそんな彼がちょっと嫌いで大好きだった。

タクマくんが好きなものはオカルト。

その日もひとりかくれんぼをやると言っていた。

私はそれが危険だということは分かっていながら半信半疑で、真剣に止めることはしなかった。「メールで実況して!」なんて約束をして笑っていた。

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その日の深夜。

タクマくんからのメールが届いた。

『ひとりかくれんぼ開始!今クローゼットに隠れてるよ』

とうとう始まったのか。私はすごくワクワクして、同時にドキドキしていた。

その頃になって不安になってきたのだ。

けれどそんな不安も気のせいだと、悪ふざけだからとそれほど気にしないでいるうちに無くなった。

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彼からは次々メールが届く。

『変な音がする。ぬいぐるみかな』

とか

『クローゼット叩かれた!逃げる!!』

とか。

私はニヤニヤしながら(迫真の演技だな)なんて考えてた。

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思えば、彼がすぐにクローゼットから出ることを止めればよかったのだ。

それ以降タクマくんからのメールは届く事は無かった。

私がその後タクマくんと会ったのはお葬式だった。

誰かが言ってた。

「こんなむごいことはテレビの人に話すなよ」

それから私は朝も夜もテレビに張り付いてたけれど、タクマくんの名前が出ることはとうとうなかった。

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私は今でも後悔している。

いつも肝心なところで判断を間違えるんだから。

そんな私が大嫌いになった。

私はその頃から友達を作らなくなった。

いても上辺だけ。死んでも悲しくないように深くはかかわらないようにした。

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私がひとりでいれば優しいタクマくんは連れてってくれるんじゃないかと思ってたけど、そんなことはなく私は今年高校二年生になった。

今でもお墓参りには月に一度は行っている。

あの日のことを謝り続けることしか私にはできない。

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沙羅様
この度は怖いとコメントまでくださってありがとうございます
そんなふうに言っていただけると、私が今まで抱えてきた罪悪感や後悔も軽くなります

沙羅様の作品はいろいろ読ませてもらっていて、憧れていた方にこんなコメントを貰えるなんて、幸せです

タクマくんも自分のことを思ってくれる人がいて、喜んでくれていたらなと思います…

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