おうひと -第二章- リュックサックの気持ち

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おうひと -第二章- リュックサックの気持ち

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旅行から帰ってきて、すぐに私は押し入れの中から当時使っていたリュックサックを探しました。

早く見つけて何か手がかりを得たいという気持ちが私を焦らせ、苛立たせていました。

昔使っていた服、雑貨などを掻き出しリュックサックを探しましたが、結局みつからず、よくよく思い返せば気味が悪いので捨ててしまった気もします。と、

掻き出した雑貨等を入れている箱が不意に気になり、上蓋を開けてみました。すると・・・

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そこにはあの手紙が雑貨の一番上に置いてありました。

確かに、手紙を捨てた記憶はありませんが、当時見たものと若干文体が違う気がします。

しかしリュックサックを捨てて手紙を残しておくとは当時の自分が一体何を考えていたのか、また本当に自分はこの不気味な手紙を残したのか?

本当はあの男が家に忍び込んでリュックサックを盗み、手紙も犯行声明のような形で残していったのでではないのか?

そんな考えが頭の中をループしていました。

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いずれにせよ、春からは新生活で大手の金融機関に就職することが決まっておりました。その前にあの男が幽霊であれ、変質者であれ手を打つ必要がでてきました。

あ、頭が痛い、どうしてこんなことになったんだ。とにかく警察とお祓い両方だ!ということで警察には電話で状況を知らせ、お祓いは近所の神社で行ってもらうことにしました。

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警察はすぐに再度巡回経路に私の家の周りを入れてくれると言ってくれました。

そしてお祓いのほうは成功したのかわかりませんが、どちらにせよボーダーシャツの男は現れることはありませんでした。

就職し、新生活が始まるまでは・・・

おうひと -第二章- リュックサックの気持ち

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