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おうひと -第三章- 会社での怪

短編2
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おうひと -第三章- 会社での怪

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ほどなくして私は、大学を卒業し、就職先である金融機関に入社しました。

最初の歓迎ムードは初日だけで、グループに分かれての1ヵ月間に及ぶ地獄といってもよいほどの研修が始まりました。

研修も中盤に差し掛かろうとしたころ、食堂でいつものようにグループで昼食をとっていると、食堂の片隅に見たくはなかった存在を感じ取ってしまいました。

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いる、、、確実にあいつが。私は姿までは確認できませんでしたがその存在を確かに感じ取りました。

その日はやはりそのことが頭から離れず、研修に集中できず担当教官に怒られ続けるという失態を犯してしまいました。

一人のミスは全員のミスということになるので、私がグループの人間の恨みを買ったのは違いないのです。

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しかし、翌日からおかしなことが起こり始めました。

あんなに恐ろしかった担当教官が私を見ると若干ひきつった笑いをしながら、私をおだて始めたのです。グループの人間も全く同じです。

私の昨日の失態は怒られるものであっても、ほめられたり、ましてやおだてられるようなことではないはずです。

妙な違和感をかんじながらも研修を無事乗り切り、都内の支店に配属されました。

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支店に配属されて、私は周囲の人間からおだてられることがより多くなりました。

と同時にあの男の存在も強く感じ取ることが出来るようになっていました。

仕事はうまくいっていないのに、怒られることもなく、むしろ褒められ、遊びには誘われることが多く、他の人が残業をしていても、すぐに帰してくれるという状況が続きました。

もしかしてあの男は私の守護霊だったのか?などという考えも湧いてきたほどです。

shake

しかし、、、

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良いことは長くは続かない、という言葉の通り、私はこの後奈落の底に落とされるのでした。

おうひと -第三章- 会社での怪

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