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短編2
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絵馬にまつわる怖い話

人が信じているものの中には、縁起が良いとされているものがいくつかある。

昔、住んでいた場所の近くにもそういう場所があった。気付いたら絵馬がたくさんかけられているような場所です。その絵馬の中には、文字がずっしり書かれているものからすごく凝っているデザインのものまで数多くありました。

ある日の夜、僕は近所にあったその縁起の良いとされる場所に立ち寄った。

別段、特別でも何にもない日だったので、その日は周囲には誰も人がいなく、随分ともの静かな場所であった。

電灯もまばらにしかなかったので、かなり薄暗くなっていた。

ただ立ち寄っただけだから、それこそ何も考えずにふらっと中を歩いていただけなのですが、なぜかいろいろな人の絵馬をこっそりと覗きたい衝動にかられました。

あまり良いことではなさそうですし、特に自分が書いている絵馬があるわけでもありません。

ですが、絵馬の中身をじっくり見たくなって絵馬がかけられてある場所に行ってみたのです。

数が多いですから、到底全部を見てしまうことはできません。なので、今いる場所から一番近くにあった絵馬がかけられている場所を見ることにしました。

すると、表にある何枚かは、記憶に残っていないほど普通の願い事でしたが、その表にあったものを何枚かめくっていくと絵馬の中にはどうも常人が書いたとは思えない字づらで「誰か、私を殺して!」と書いているものを見つけました。しかも、絵馬に書いてあるその言葉は、数枚、数十枚と連なって続いていったのです。

最初は、とても怖い印象を持った言葉でしたが何枚も同じようなものが続いていくと恐怖ではなく、すごく面白く思えてきました。

感覚が麻痺してるということなのでしょう。その変な絵馬が続いていることがなぜか安堵することのきっかけにさえ思えてきたのです。

到頭、その場所にあった絵馬を最後の一枚まで見終わると突然、

ズンッ!!!?

shake

と、足の付け根から足のつま先までが何かに叩かれたような感じがしました。

それから、数分の間まったく足が動かなくなって固まってしまったのです。

ですが、手には先ほど足にきた衝撃で覗いていた絵馬の最後の一枚だがけ糸が切れて手元に持っていました。

手元に持っていた絵馬を見て、とても後悔しました。なぜなら、そこに書かれていたのは「誰か、私を殺して!」ではなく、「誰が、私を殺した?」と書かれていたからです。

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