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中編4
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S健康センター

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この話は俺が大学生の時の話だからもう10年以上前の話になるかな…。

俺はオカルトマニアでよく友達を連れて心霊スポットを巡ってた。

しばらくして心霊スポット巡りならこいつら。みたいな3人組ができたわけ。

俺とAとB。この3人が毎週のように夜中に集まって心霊スポットに行ってたんだが、ある日俺らは県内ではあまり有名じゃないがマニアの中では有名なS健康センターってところに行こうって話になった。

健康センターを簡単に説明すると銭湯兼遊技場みたいな場所でカラオケが入ってたりbarが入ってたりと子供からご老人まで使うような場所なわけだ。

その健康センターは夜中になると女がいるだの赤ちゃんの鳴き声が聞こえるだのとありきたりな噂しかなかったからあんまり期待してはなかった。

早速俺らは車で1時間ほどの山の中にある健康センターへと向かった。

行きの車はお菓子なんかを食べながら大学の先生の話しやらどんな場所なのかなんかを話しながら行った。

少し迷いながら行ってみるとフェンスがあって立ち入り禁止と書いてある。

まぁ、もちろんそんなのお構い無しに横のちょっとした山のようなところからまわって入っていった。

建物はでかく本館と別館、露天風呂なんかもあってかなり広い。大きさで言うと小さめな学校くらいはあったと思う。

入口は閉められているが横の窓が割れていてそこから入った。

中は山の中だけあってめちゃくちゃ暗くて月明かりも入らないような暗さ。

そんな暗さにビビりながら懐中電灯片手に探索が始まる。

俺らにはいっつも役割みたいなのがあって建物の中に入ると基本は個別行動で好きなように見てまわる。そして30分後にまた入口に集まってみんなでもう1回全部まわるっていうやり方で心霊スポット巡りをしてた。

いつものように一人行動で館内を探索する。

スプレーで落書きしてあったり窓ガラスが割られてたりと人が結構来てるんだなぁと少し残念がりながらも俺は廃墟のだす独特な雰囲気に呑み込まれてた。

1通り探索して時間も来たので入口に戻った。

しかしBがいくら待っても戻ってこない。

A「Bのやつどっかで怪我でもしてたら大変だから探しに行こう。」

俺「呼んでも返事もないし探しに行くか。」

俺とAはこんな感じの会話をしてBを探し始めた。

Bは2階の真っ暗な1室で見つかった。

A「おいB、なにしてんだよ行くぞ」

B「……」

Aは返事がないことにイライラした様子でBの腕を掴んだ時……。

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B「ぎゃぁぁあぁぁぁぁああ。」

突然Bが悲鳴をあげて走り出した。

Aも俺もパニックになってBを追いかけたがBは見失うしAとはハグれるし最悪の状況。

しばらくは放心状態だった俺だがAとBを探すことにした。

3階、2階、1階と見て行ったがAもBも居ない。

もしかしてあいつら俺を騙して脅かそうとしてるんだなと思って俺は苛立ちながら「もう分かってんだよ早く出てこないと帰っちまうぞー。」なんて叫びながら歩いているとなにやら話し声が聞こえる。

ふと話し声がした方を向くと地下に繋がる階段を見つけた。

あいつら下にいやがるんだなぁ、逆に驚かしてやろうと思って少しニヤつきながら降りていく。

少しずつ話し声は大きくなる。

地下に降りるとそこは1階などとは違いとても綺麗で人が入った痕跡なんかないくらいの場所。

少し不思議に思いながら進んで行くと動くものがいる。

だが違う。

それは明らかにAでもBでもない。

それは後ろを向いている。

それは太った人間みたいな形をしてる。

それはなにか呟いてる。

それが振り向いた。

俺はこの時ほど怖い体験はしたことが無い。

それは赤ん坊の顔をした巨人。という表現が1番相応しいと思う。

今も思い出すだけで吐き気がする。

完全にパニックになった俺は懐中電灯をぶん投げて1階に走り出した。

追ってくる気配はないが嫌な感じが後ろから伝わる。

殺される。死ぬ。

その言葉だけが俺の脳を支配してた。

俺は建物からでると無我夢中で車へと走った。

sound:19

途中で焦りすぎてフェンスに激突した。

痛みがない。パニックになりすぎてなにも感じなかった。

AとBがまだ中にいる。そんなの気にしてはいられなかった。

俺は急いで車に乗るとそこから一番近いコンビニに向かった。

ほかの人がいるっていうのが分かると本当に安心した。

コンビニの駐車場に車を止めてハンドルに伏せる。

呼吸が上がっていた。

一人でいたくなくて店内に入ると夜勤であろう店のバイトがかなり驚いた顔をして話しかけてきた。

店員「ちょっ、顔どうしたんですか!?!?」

俺「え?……」

店員「え?じゃないです!血だらけじゃないですか!」

この時気づいてなかったがフェンスにぶつかった時に盛大に顔を切っていたらしい。

鏡を見にトイレに行って鏡を覗く。

shake

鏡にはあの時見た赤ん坊の巨人がいた。

俺はそこで気絶した。

目が覚めたら病院のベッドで横になっていた。

顔の傷は思ったより深く何針か縫ったようだ。

そこで昨日のことを話し警察を呼び詳しく昨日のことを話した。

AとBの家に警察が連絡したが帰ってないとの話もあって翌日に健康センターに警察が数10名で捜索に行ったらしいが誰も見つからなかったらしい。

そのまま10年はたつがAとBは行方不明のままだ。

俺はしばらくの間大学を休学した。

その間は警察署に何度も行き事情聴取をされた。

オチというオチもないし俺がその後怖い体験をしたなんてことはないから文的にはつまらないかもしれない。

だけど本当にあった事なんだ。

もしお前らも心霊スポット巡りなんかが趣味なら充分に気をつけろ。

世の中には説明出来ないことと取り返しのつかないことがある。

本当に気をつけろ。

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