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短編2
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これは、私の友達の話。

彼女の家は最寄り駅からバスで20分の所にある。この日もいつものように部活を終えて、いつものようにバスに乗りぼうっと窓の外を眺めていた。時間は午後8時。道もそこそこ混んでいて、バスは中々進まない。

小学校の前を通った時、グランドの真ん中にポツンと何かが置いてあるのが目に入った。よく見るとそれはなんだか動いているように見える。

バスが小学校沿いの角を曲がりグランドの正面に近づいた時、それがはっきりと見えた。

子供だった。

子供が両手を上に上げて飛び跳ねていた。そこまで見えた時、彼女は今まで見つめていた事を後悔した。

子供は笑っていた。

笑顔で飛び跳ねる少年。

その手は一生懸命に手招きをしていた。

バスが小学校前で止まる。

少年も跳ねるのを止めた。と、次の瞬間ものすごい速さでバスに向かって走って来た。

彼女は思わず下を向いた。

気付かれた。完全に気付かれた。そう思った。

バスが動き出した。

恐る恐る顔を上げる。

グランドには、誰もいなかった。

グランドには。

窓に映る自分の横にその少年はいた。

声が聞こえる。

『あそぼう。』

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「それで…?」

「やばいと思ってさ、目を瞑って帰れ帰れって唱えたら消えてた。」

そう言って遥は笑った。

「今日もさ、横断歩道渡る時、右左右って確認してたら二回目に右向いた瞬間におじさんの顔が目の前にあってびっくりだよ!」

彼女の日常にはそういった事はよくあるようで、それに対してあまり恐怖は感じていないらしい。

「詩音もあるでしょ?」

「私は普段そんなにはっきり見えたことないから…。」

「そうか…。」

そう言って天井を見つめた遥は何かを思い出した様な顔をした後こう言った。

「もし見えても、笑ってる奴はヤバイから。」

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気をつけて。

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