心霊スポット

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バイト先の後輩が体験した話になります。

その後輩は非常に心霊スポットを巡るのが好きで月に２回くらいは色々な心霊スポットを訪ねており、その度に『また何も起こらなかったですよ。つまらないですねー。』と感想を聞かせてくれていた。

ある日、後輩が明日『○○トンネルに行って来ますね。』と言ってきた。その場所は全国でも有数の心霊スポットであり、○○峠にあるトンネルであった。私もそのトンネルに関しては色々な噂を耳にしていたので、『さすがにやめたほうがいいんじゃないの？』と返した。

すると後輩は『もうある程度の場所は行ったんで、○○トンネルで最後にしようかなと思ってるんですよ。せっかく最後なんですごい場所行きたいじゃないですか！』と言って目を光らせていた。そんな後輩に水を差すのも悪いので、『無事に帰って来いよ。笑』と冗談交じりで私は返しました。

後日、バイトでその後輩に会うと、後輩は私をみるや否や『○○さん、やっぱりあの場所やばかったですよ。絶対行かない方がいいですよ！』と言ってきた。ここまで取り乱している後輩も珍しいので、何が起こったのか聞いてみた。

その日後輩は友達8人と二台の車で4人ずつに別れ○○トンネルに向かった。私の後輩が乗った車を先頭に2台並んで向かって行ったらしい。途中で後ろの車が着いて来てないとことに気づいたが特に気にせず車をはしらせていた。すると、後輩の乗っていた車は峠の途中でガソリンが切れそうになった。

トンネルまではまだ距離があり、帰りの事も考えるとガソリンを補充した方がいいと言うことになった。しかし、地元からも遠く初めて来る土地でどこにガソリンスタンドがあるかも分からなかったため、カーナビで近くのガソリンスタンドに目的地を設定し、走り始めた。

走り始めて、数十分たったが一向に峠を出る気配はなく、むしろどんどん人気のない方へとカーナビは案内していった。車内では『本当に道あってんのかな。こんなところでガソリン切れるとか勘弁だぞ』と言った、心配の声が上がり始めた。

するとおもむろにカーナビが『目的地周辺です。』と言った。車を止め辺りを見回したがどこにもガソリンスタンドは見えなかった。全員、車を降り、4人で周辺を歩いた。

いっとき歩くと、目の前にボロボロになった鳥居と階段が現れた。いかにも怪しげな雰囲気であったが、肝試しに来ている後輩たちはその雰囲気に魅了され少し見てみようと言うことになった。階段を登っていくと、神社が見え賽銭箱があったようだ。せっかくだからお賽銭をあげて行こうと言うことで、4人とも怪談を駆け上がっていった。駆け上がり賽銭箱が見えた瞬間、後輩はここはヤバイと思ったと言っていた。

賽銭箱の奥に首だけのお地蔵さんが偶然か分からないが4つ車の座席の配置のように置いてあったらしい。それを見た瞬間4人とも一気に階段を下り、車に戻った。するとそこでも目を疑ったらしい。

なんとさっきまで切れそうだったガソリンのメーターが満タン近くまで戻っていたらしい。

後輩たちは急いで車を走らせ、峠を下り、その後もう一組の4人と落ち合い、ファミレスに行って夕食を取った。その時、先ほど起こったことをもう一組の4人に話した。すると4人驚いた表情を浮かべ、『実は俺たちも同じようなことが起こったんだけど。』と言った。話を聞くとほとんど同じような内容なのだが、一つだけ違う点があった。

それは賽銭箱の奥にあったものが地蔵の首から下であると言うことであった。

それを聞いてやっぱりヤバい場所だったんだなと友達と語り合い、冗談で行くのはやめようと思ったらしい。何より無事でよかった。

と後輩は語っていた。その後後輩には特に何も起こっていないので、私は心底ホッとしています。

皆さんも心霊スポットに冗談半分で行くのはやめた方がいいと思いますよ。