短編2
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俯く親友

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大学時代に先輩から聞いた話で、先輩の姉(以下A子)が体験した話になります。

A子さんには小さい頃からの親友がいて、家も近く、同じ高校に毎日一緒に通っていました。

ある日、いつものようにA子さんと親友二人で朝から電車を使い高校に通っていました。電車内で二人で他愛もない話をしていると、親友がいきなり膝に頭を抱え込む形で俯き始めたそうです。

A子さんは驚き、親友に『どうしたの⁉︎具合でも悪いの』と聞きましたが、親友は『いや、大丈夫、大丈夫…』と答えるばかりで一向に顔をあげません。それどころか身体は小刻みに震えており、ただならぬ状況だったと言います。

五分ほどだったあたりで目的の駅に着き、親友に『着いたよ、学校に行こう』と言うと、親友は顔を上げ、一緒に学校へ向かいましたがその間、親友は一切言葉を発さなかったそうです。

その日、親友は体調が悪いことを理由に早退したということを聞き、A子さんは心配になり、メールしたところ、『大丈夫だよ、明日詳しく話すね』と返信が来たそうです。

次の日、A子さんは親友といつものように待ち合わせ、電車で学校に向かいました。特に変わったこともなく、他愛もない話をしているうちに目的の駅に着いたそうです。電車から降りると親友は『はぁー…』と一息吐き、その後、話し始めたそうです。

『実は昨日、A子と話してる途中で電車が動いてるのに扉から人のようなものが車内に入ってきたのを目にしたんだよね。おかしいなと思ったんだけど、そいつが向かい側に座ってる人の顔を1人1人覗き込んでるんだよね。

でも見られてる人は何の反応もないの。そこでそいつが自分を見える人を探してるんだって分かって、目が合っちゃ危ないと思って、ずっと俯いてたんだ。今まで、一度もこんな体験したことなかったからびっくりしちゃった。』ということだったそうです。

自分も顔を覗かれていたと考えると見えなくてよかったと同時にゾッとします。

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コメント怖い
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菊さん
コメントありがとうございます。もしそいつと目が合っていたと想像すると恐ろしいですよね。自分は見える体質じゃなくて本当良かったです。

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人違いされたらまじやばいやつやん

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