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週末の金曜日…
休み前の夜は仕事終わりに行き付けの飲み屋で終電ギリギリまで呑んで帰る…
これが、週一の楽しみになっていた。
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今週も飲み屋の店主に終電が近いと急かされ、駅の改札を通ったのは覚えている…
しかし、私が気がついたのは駅構内のベンチの上…
「寝過ごした!」
いつもベンチで寝ていても最終電車の前には駅員が起こしてくれていた。
構内の電気はすでに消えている…
どうみても、最終電車は行った後だ…
「しゃーない…店に戻るか」
電車を逃すのはいつもの事…
覚醒しない頭をかかえながら改札を目指した。
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…
…
…
おかしい…
改札への階段が無い…
私が使っている駅は、改札を通り階段を上がって渡り廊下を通り、登りと下りの2本のホームへと降りて行く作りになっているタイプの小さい駅だ…
しかし、改札へ降りる階段が見当たらない…
霧も凄く周りも見にくい…気がする。
「そこまで、酔ってるか~」
酔っ払い特有の気楽さ…ふらふらしながら周りを見渡す…
と、そこに女子高生3人組が階段を降りて行く姿が見える…
「女子高生…?終電まだのなのか?」
ふらふらと女子高生を追いかけて階段を降りるとアナウンスが聞こえた…
「次は夕闇駅行き~~夕闇駅行き~本日の最終電車になります~乗り遅れの無いようお急ぎください~」
最終電車を告げるアナウンス…
私は急いで階段を降りる…駅には見た事の無いレトロな電車が停車している。
普段なら絶対に乗らないだろう…明らかに違和感しかない電車…
事実…女子高生3人組は年下だろう女子高生を年長の二人が乗り込まないように止めている…
しかし…私は乗り込まないといけない…
そう思った…
「発車しま~す。駆け込み乗車は危ないのでご遠慮ください~」
静かに電車は動きだす。
車窓から見えるのは行き付けの飲み屋…
何かあったのか救急車が止まっている…
そして…小さな墓場が見える…
どうやって移動したのか…先ほどの女子高生がお墓に手を合わせている…
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車内は静まりかえっている…
物音一つしない…
乗客も子供から老人までいる…
皆、青い顔をしながらうつむいている…
その時…私は気づいてしまった…
そして、思い出した…
私が何者なのかを…
私がどうなったかを…
そして…この電車が何処に向かっているのかを…
作者まー-3
元ネタは某レトロホラーゲームです。
私の中では、弟○草と並ぶ傑作ゲームです。
もしも、元ネタがわかったら是非プレーしてもらいたいです。