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中編3
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こわいへや。

※怖いお話ではありません。

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私は10年前にこいつの元へ連れてこられた。

最初は怖くて怖くて仕方がなかったが檻から出されるとなんと!幼馴染がそこにいたのだ。

幼馴染は男の子で身体も大きくどんな高所でも跳び移れる身体能力が高い奴だ。

なのになぜ逃げないのか問うと

(ここは家族がいなくて寂しいが、ご飯も食べた事のないご馳走を与えられ、外に出る以外の事は許される)

と言うのだ。

しかしあの大きなモノ達の声や足音が大きく慣れるのに時間がかかった。

あいつらはとある部屋に入ると長く、出てくると鼻をつく嫌な臭いをさせて出てくる。

幼馴染は興味本位でその部屋へと入ったところを大きなモノの女の方に連れていかれてしまった...

(なんてこと...!!!!)

中からは幼馴染の絶叫と助けを求める声がした。怖くて怖くて部屋の隅で震えた...。

しばらくすると物凄く大きな音がして幼馴染は疲弊して戻って来た。

(なにがあったの?それにその臭い...)

あいつらとは少し違うがとても嫌な臭いに変わりはなかった...

(知らなくていい...)

その日幼馴染はそのまま寝てしまった。さぞ恐ろしい目に遭ったのだろう。次は私の番かと思うと壁を傷付け苛立ちと恐怖をぶつけた。

それから何ヶ月かして生活にも慣れ、居心地の良さを感じ始めた頃だった。

幼馴染は大きなモノの女によく似た初老のモノに預けられてしまった。

(きっと大丈夫さ。君は可愛いからあそこには連れていかれないよ。)

幼馴染の最後の言葉であった。

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そうこうしているうちに10年の歳月が流れた。大きなモノの男はいなくなり、女と私だけの生活になった。あの部屋には1年に1度だけで怖い事なんてなかった。不愉快ではあったけど。

呼びにくいので同居人とでもしておこう。私の部屋はみるみる快適にされ、素敵なベッドといつもにまして美味しいご馳走へと変わった。脚が痛いと言えば痛み止めだってくれる。デザートだって高級なものに...なのに...

隣の部屋から知らない音が聴こえる...臭いがする。気に入らない...なんなんだ?

それは異変に気が付いて10日程経った頃同居人の家に毎日やってくる男が連れてきた。

小さい子供だった。それもとても生意気な。私を追い掛け回したり、同居人の見えない場所で叩いてきたり、私の夕飯を横から奪おうとするのだ。

(やめてよ!!!!)

(うるさいなーそっちの方が美味しそうなんだからいいじゃない!)

頭に血が上った私は初めてその子供を叩いた。手の届く限り何度も何度も...

そうすると子供は同居人の前で大きな方を粗相をしてしまった。

同居人は床を綺麗に拭くと子供を連れてあの部屋へと連れて行った...

(ねぇ!私なにしたっていうのー!)

(ふふ...私に嫌がらせをした天罰よ!!)

予想通り絶叫と助けを求める声がした。

(いやだああああああ!!!!!!怖いよおおおおおお!!!!助けてええええ!!!!)

私はそれをあの部屋の前に座って聞いていた。もう怖い事なんて私にはない。

(くさいいいいいいいいいいいいいい!!!!!やめてえええええ!!!!濡らさないでえええええ!!!!)

同居人と子供が出てきた。

「臭くなくなったねー雛ちゃん!偉かったねー!あれ?さーさまも入るの?」

私はニャっと返事をすると同居人の前から自分のベッドへと戻った。

(換毛期になったら同じ事が繰り返されるわよ...いい気味ね...)

雛と呼ばれる子供は怯えながらベッドの片隅で縮こまった。

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