子供の頃、幼い妹とかくれんぼをした時の事だ。
実家の家屋は広く、子供のかくれんぼにはうってつけだった。
俺が鬼になり、妹を探していると、普段は使っていなかった押入れから、物音がした。
…いた!
押入れの襖を開けると、奥の暗闇に白く小さな足が見えた。
「見つけた!」
俺は妹を捕まえる為に押入れに体を突っ込んだ。
その時、
「お兄ちゃん?」
背後から、俺を呼ぶ声がした。
妹の声だ。
…。
……?
じゃあ、今、押入れの奥にいる、のは、ダレ?
押入れの奥の闇の中の目玉が俺を見つめる。
小さな手が、俺の腕に触れた。
「み ー つ け た 」
血塗れの少女は呟いた。
…
…
それから十数年。
今でも俺は少女に見つめられている。
作者yuki