【✖︎✖︎区一家殺害事件】
✖︎✖︎区一家殺害事件とは、昭和○○年に△△都✖︎✖︎区の一家4人(父 母 長男 長女)が殺害された事件である。
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わたしのうちは、パパとママと、お兄ちゃんの四人かぞくです。
わたしの家族は、とっても仲よしです。
パパもママも、お兄ちゃんも、わたしはだいすきです。
ある日、わたしのうちに、知らない人たちが入ってきました。
知らない人たちは、パパをいきなりたたきました。
パパは床にたおれてしまいました。
あたまから血がでてました。
ママはふるえながら、わたしとお兄ちゃんを抱きしめてました。
その知らない人たちは、わるい人たちでした。
「逃げたら殺す」
わるい人たちが、パパとママに言いました。
手には、じゅうとナイフを持ってます。
あと、「だれからにする?」とか、「あとしまつがなぁ」とか言って、わらってました。
「金ならやる。早く出て行ってくれ」
「私達はどうなっても構いません。息子と娘は、助けて下さい」
パパとママが言いました。
わるい人たちは、
「別にあんたら家族に恨みはないよ」
「金もいらない」
「やりたくて、やってるだけだからさ」
「ま、運が悪かったね。恨まないでちょうだいな」
明るい声で言いました。
とつぜん、パパは立ち上がると、わるい人たちにむかっていきました。
「お前達は逃げろ!」
パパがさけびました。
ママとお兄ちゃんとわたしは立ち上がり、逃げようとしました。
ズドン
音がしました。
ふりむくと、パパのあたまがなくなってました。
いや。いや。パパが、しんじゃいました。
「きゃーーー」
わたしのよこで、ママがさけびごえをあげました。
ズドン
ママのからだがふっとびました。
床にたおれながら、ママが、
「あなた達だけでも、逃げて」
わたしとお兄ちゃんに言いました。
ズドン
ママのからだの半分が、なくなっちゃいました。
いやいやいやいや、や、ママも、死んじゃいました。
「逃げるぞ!」
お兄ちゃんがわたしの手をにぎり、家のおくにむかってはしりだしました。
「はっはー! 逃げろや逃げろぉー!」
わるい人たちは楽しそうです。
わたしとお兄ちゃんは、おくのへやに逃げこみました。
「お前はここに隠れてろ。見つかるんじゃないぞ!」
「ひとりじゃやだよ…」
「大丈夫。かくれんぼと一緒だよ。俺があとで見つけにくるから、それまで動くなよ!」
お兄ちゃんは、へやから出ていきました。
わたしは押入れの中にかくれました。
押入れの戸をしめると、中はまっくらです。
わたしのあたまの中で、いろんなことがぐるんぐるんしてます。
パパは死んじゃった。
ママも死んじゃった。
しんじられない。なんで、こんなことになっちゃったんだろう。
パパもママも、なんにもわるいことしてないのに…。
でも、まだ、わたしにはお兄ちゃんがいる。
きっと、お兄ちゃんが守ってくれる!
お兄ちゃん、はやくもどってきて…。
はやくわたしを見つけて…。
…。
それから、どれくらい時間がたったか、おぼえてません。
少ししてだったのか、それともすごくあとのことだったのか。
押入れの戸がいきなりひらかれました。
ひらかれた戸の向こうで、床にだれかがたおれているのが見えました。
真っ赤です。血だらけです。ピクリとも動きません。
でも、きっとあれは、お兄ちゃんじゃないと、思います。
思います。おねがいです。おねがいします。
お兄ちゃんじゃないと思います。
「み ー つ け た 」
わるい人が、わたしの足をつかみました。
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…
この事件の犯人は、未だに逮捕されていない。
そして、事件から数十年。
事件のあった家屋には、新たな住人が住んでいるという。
作者yuki