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ん?
オレが自分でオレ自身の事を語るのは初めてだよな?
いつもの奴に、書け!書け!と言われてたが、オレにはんなもん書けやしねーから、オレが話した事を、いつもの奴に書いてもらう事にする。
結局、いつもパターンかよww
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~~~~~~~~~~
オレの両親は、オレが子供ん時に離婚してなぁ。
オレは親父に引き取られた訳だ。
親父と2人で住んでたアパートっつーのが、これ又ヤバいとこでなww
酒呑みの親父は仕事が終わるとそのまんま飲みに行っちまうから、家に帰っても親父が帰る深夜になるまで、俺1人。
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未だ子供のオレは、1人で家に居るのが怖くてなww
今じゃ考えられねーって?
オレにもそんな可愛い頃が有ったって事さww
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暗くなる前。
家に帰り着いて先ず最初にする事と言えば…風呂に入る事だった。
未だ明るいうちに、とっとと怖い事は済ませたかったんだな。
だってよ。
そのアパートの風呂には、知らねぇ女がいたからよ。
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玉の様に可愛い坊主頭のオレが頭を洗ってると、やたら長い髪が指に絡まって来やがるんだ。
いつも気付くと、そいつは自分の髪をオレに洗わせてるww
風呂場の天井から長~い髪をぶらーんて垂らしてなww
最初の頃は、ギャーって風呂場から慌てて飛び出したりしてたんだけどよ。
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親父なんて、その髪の毛を引っ張って顔まで見たらしい。
…
…
ただ、どんな顔してたとか、男か女かなんて、オレには聞く勇気もなくてよ。
親父も敢えてオレに話さなかった。
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ビクビクしながら風呂から出て、その日は何も出なかった事にホッとしながら、それでも風呂場から目を逸らさず身体を拭こうとバスタオルを掴めば…
ザラって、妙な手触り。
掴んだバスタオルに目をやると…
バスタオルなんかじゃねーwww
オレの手は、長~い髪をシッカリ握ってやがったwww
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手を変え場所を変え、オレや親父を驚かすのが楽しかったとしか思えねーよなww
ただな?
その髪。
ツヤツヤでキューティクルケアしてるみたいに、スゲー綺麗だったんだよww
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でな
親父もオレと全く同じ経験してたから、そんな時は互いに起きた事を報告し合ってたんだ。
夜、1人で留守番してるだろ?
するとな、偶に、未だオレが起きてる時間に親父が帰って来るんだよ。
心細いし、怖いし。
親父が帰って来た事が嬉しくて、オレは居間から玄関に続く扉を開くんだよ。
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『お帰りー!』ってな。
でもな。
玄関にも、居間から真っ直ぐ続く廊下にも灯りは点いてない。
『親父?』声を掛けても、返事すらしねーんだよ。
居間から扉を開けたまま、ジッと玄関に続く廊下を見てると、暗闇の中、黒いモンが動くからよ。
慌てて扉をバチンと閉めて、居間の中から磨りガラスになった扉を見てるとよ。
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スッスッ
誰かが廊下を歩いてる音が聞こえて、黒いモンが近付いて来んだよ。
そんでよ
居間に入る手前にある部屋の襖がスーッと開く音がする。
誰かがスッスッて、手前の部屋に入るんだよ。
オレ、怖くてよ。
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でもよ?
部屋に入ったんなら、ちゃんと閉めろよ!って話しだ。
仕方ねぇから真っ暗な廊下に出て、開いた襖をバチンと閉めたりしてなぁww
(早く親父、帰って来ねーかなぁ)
そう思っても、親父、帰って来ねーし。
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しかも、その襖の部屋の向こうにトイレが有るからよ。
チビりそうになりながら我慢して…
我慢して…
どうにも我慢ならなくて、廊下の灯りを点けちゃ、走ってトイレに駆け込んだりしてたなぁww
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そんなある日。
酔って帰った親父と布団を並べて寝てた時だ。
知らねぇ姉ちゃんがオレに馬乗りになって、オレの首をグイグイ締め上げてくんだよ。
すっげぇ怖い顔しながら、ギューギュー。
これでもかっ!!
ってくれぇ、首締め上げやがって。
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動けねぇし、苦しいし。
『オレ、もうダメかなぁ』って意識が遠くなった。
でも、殺されてなくて、朝になって飛び起きて、昨夜の事を親父に話したんだよ。
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そしたらな、親父…
吹き出して大笑いしやがって!
オレ、どんなに怖かったか、親父に訴えたんだけどよ。
親父の奴。
笑い過ぎて目に涙を溜めながら、言いやがった。
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「いやぁーwwwww
その女、最初にオレんとこに来やがったから、オレが言ったんだよww
“オレじゃなく、Nんとこへ行け!!”てなwww
本当にお前んとこに行ったのかwwwww」
オレ、マジで親父に殺意を感じたねww
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暫くして、又同じ女が現れやがったから、オレ、女に言ったんだ。
『オレじゃねーだろ?
親父んとこに行けよ!』
そしたら、女。
スーッと消えた。
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次の日、まるで死人みたいなツラした親父が居てよ。
「親父んトコに行ったか?w」って聞いたんだけどよ。
親父、頷くだけで、それ以上の事は言わなかった。
それから、親父とオレの会話に、風呂場の事も、脱衣所の事も、夜に現れる女の事も。
我が家の禁句になっちまったんだよな。
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親父…
何をされたんだか、どんだけな目に遭ったんだか…
…
既にこの世に居ない親父に聞けねぇーから、永遠の謎だなw
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そして、親父の実家である、例の家に、オレと親父は住み着く事となる。
そこは、もっと酷いお化け屋敷だった訳だが。
ん?
実は、オレはちっともお化け屋敷だなんて思ってねぇんだww
居心地の良い我が家。
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だからさww
又、話したくなったら話しに来るからよ!
アバヨ\\(۶•̀ᴗ•́)۶////
作者鏡水花
今回は、Nくんが未だ可愛かった頃の話です。
Nくんが出会って来た、変なモノ、Nくんでさえ恐ろしいと思ったモノ…
これからも、Nくん共々、お付き合い下さりますよう、宜しくお願いいたします(*´艸`*)
いつ頃かは分からないのですが…
Nくんと電話で話をしていると、誰かの声が混じる様になりました。
男の野太い声だったり、女性の細く甲高い声だったり…
不気味な笑い声だったり、ハウリングの様な声とも音ともつかないモノだったり…。
Nくんに聞くと、「なんか来てるなぁ~w」と。
扇風機も要らない程、部屋が、Nくんの周りがヒンヤリ冷えるそうです。
他の友人達との電話中には一度も聞こえた事のない声…。
聞きたくないんですけどーーーっ(´;ω;`)