小学校三年生の夏の思い出です。
河川敷を1人で歩いたよい天気の午後…
思いつきで[影送り]を試す事にした。
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自分の影を見詰めて10秒…
1…2…3…
8…9…10。
直ぐに空を見ます。
「あー凄い!本当に影が写ってる…」
地面にあるはずの影は地面から青空に移動して映りこんでいるんです!
「凄いなーちいちゃんのお話は本当なんだ~」
首が痛くなるくらいに空を見ていた時に異変がおこります。
びゅー…
突風が背中を押すように吹き抜け、小学生の体重ですが身体が浮かぶほどの強い風…
倒れこんだ体を起こし空を見上げた時…
私の影を囲むように大きい影が2つと小さい影が2つ…
まるで私を守るように…
呆然と空を見続ける私…
私の影を含めた5つの影はゆっくりと消えていきました。
「ちいちゃんと家族が風から守ってくれたんかな…」
私はボソッと呟いたのでした…
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年月が過ぎ昔の出来事を家族と話ていた時…
「そういえば、小学生の時に怖い夢を見たって母さんの布団に潜り込んで甘えていたのよ…覚える?」
詳しくは覚えてないが、ある時期を境によく潜り込んできたらしい…
「今さらだけどね…いつも同じ夢を見たって言ってたのよね?」
…
…
…
…
…
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「ちいちゃんが迎えに来る…ちいちゃんが迎えに来るって…」
私は覚えていない昔話…
覚えていない夢と河川敷での影送り…
本当に関係あるのかはわかりません。
ただ、[ちいちゃんの影送り]を授業で習った事が切っ掛けなのは間違いありません。
あの時…
私は本当に守られたのか…逃げられないように囲われていたのか?
事実はわかりませんが…今も私は元気です。
作者まー-3
夏の日の卵・幼い暴力に続く小学生の思い出シリーズの第三段です。
過去2話と違って盛りまくりです。
ただ、さっちゃんの影送りを習って実際にやってみた時の感動は今も忘れてません…
今も教科書に載ってるかはわかりませんが…
蛍の墓と並ぶ夏休みに思いだし続けていきたい作品の一つです。
ろっこめさんのコメントで絵本名の間違いに気付いたので訂正してます。
解説には訂正前の間違いタイトルをそのままにしてます。
あ~恥ずかしい~