あれは、今から十年前の出来事。小学四年生のときの悪夢。
あの日、僕は夜遅くまでゲームをしていました。午後十一時ごろ、寝る前にトイレに行こうと部屋から出ました。
すると、応接間から、おかしな呻き声が……。
ドアの隙間から覗いてみると、月明かりの中、何者かが母の首を絞めているのが見えました。
その日、父は出張でいませんでした。
母を助けられるのは自分だけ──。
急ぎながらも足音を殺してバットを取りに行き、そして応接間に入ると、そいつの頭を後ろから殴ってやりました。
電気をつけると、そこに倒れていたのは父でした……。一日早く帰って来ていたのです。
父は完全に死んでいました。
母は死体を庭に埋めました。息子を人殺しにしたくないという一念だったのだと思います。
これは後から知ったことです。あれは両親のプレイでした……。
一年後、母は再婚しました。今でも……時々プレイを楽しんでいるようです……。
同じ年、庭にサツキを植えました。今年も、きっと花を咲かせることでしょう。
血のように赤い……。
作者いも
よろしく!