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短編2
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死へのダイブ

 三人で写真に写るとき、真ん中になった人が早死にしてしまう──たまに、そんなことを言う人がいます。

 それなのに、高校時代の友人の一人に、好んで真ん中になりたがる奴がいました。

 不思議なので理由を聞いてみたことがあります。

 彼は、「迷信が迷信であることを証明したいから」みたいなことを言っていました。

 ところがその彼は二十二歳で亡くなってしまいました。

 死因は心臓麻痺。

 写真の迷信は本当だったのだと、僕達のみんなが怖ろしく感じました。

 今から二年前のことです。

 しかし、本当に怖ろしいことが始まったのは、その後でした。

 彼の死の半年後くらい。

 彼が心臓麻痺を起こしたのはセックスの最中だったらしいことを知りました。

  そして、その相手がアイドルだったことも──。

 そのアイドルのファンだった彼は、不思議なほどの幸運が重なって、彼女と密かに付き合えるようになっていたということです。

 彼のお姉さんから、二人のツーショットも見せてもらえました。

 それは明らかにホテルの部屋での撮影でしたが、本当に信じられないことに、彼女は誰もが知っている有名なアイドルでした。

 少しだけヒントを言うと、「今○くらべてみました」、「有○反省会」、「ワイ○ナショー」などのテレビ番組に出演しています。

 しかし、そんなことなど、どうでもいいのです。

 本当に怖ろしいことが僕達に始まってしまったのですから。

 以降、僕達が三人で写真に写るとき、写真の真ん中を獲得するために──僕達は殺し合いさえ厭わない有様に……。

 考えてみて下さい。

 もし好きなアイドルと付き合えてセックス出来るのであれば、その後に死ぬにしても、もうその時点で何百倍もの元が取れてしまっているのですから……。

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