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中編6
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意味怖 短編集2

1.かなちゃん

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一人の女の子がいた。性格は明るく、小学校ではたくさんの友達に囲まれていた。

また、女の子は大のおじいちゃん子で、おじいちゃんも女の子のことを本当に可愛がった。

しかし、おじいちゃんは今入院しており、余命は長くなかった。

医師がもう残りわずかな命であることを伝え、女の子は両親に連れられ病院に行った。

病室で女の子の両親はおじいちゃんと話した後、医師の説明を受けに病室を出て行った。

病室には女の子とおじいちゃんの二人。

女の子はおじいちゃんに学校のことや最近楽しかった事など色々なことを話した。

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しかし女の子は途中で泣きながら

「おじいちゃんいなくなるの?」

と聞いた。するとおじいちゃんは

「おじいちゃんが死んだら、お父さんとお母さんと一緒に悲しんでくれるかい?」

と言った。女の子は

「うん…でも死んじゃいやだよ」

とつぶやいた。

その後女の子は家に帰ることになり、その次の日おじいちゃんは帰らぬ人となった。女の子はその日、わんわん泣いた……。

1ヶ月後、ある記事が新聞の隅に載った。

一部抜粋すると

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「一家心中、動機は全くの不明。女の子の名前は斎藤加奈ちゃん」

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2.透視

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ある日、地方に住んでいる6歳の幼女が1人行方不明になった

母親が公園で主婦友達と話している数分の間に公園から居なくなった

どこを探しても居ない、警察も検問を各地に配置したが一向に見つからない

警察も半分諦めていた

1ヵ月後、諦めきれない親がとうとう最後の手段とも言える

アメリカで有名な透視能力者を大金を叩いて招いた

早速両親は娘が今、どこにいるのか透視して貰った

透視能力者は透視を始めた

何分か経って透視能力者は一言

「この子は元気ですよ」

この言葉に両親、親族は大喜び

さらに透視能力者は

「この子の周りには豪華絢爛な家具が見えるので多分、裕福な家庭にいる事が推測されま

す」

この言葉に両親、親族は多少の疑問を抱きながらも喜んだ

そして母親が核心に迫った

「娘は今、どこにいるのですか?詳しい場所を教えて下さい」と熱の入った口調で言った

透視能力者は一言こう言った

「あなたの娘さんは世界中にいます」

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3.心霊写真

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俺の誕生日に、ホームパーティを開いたわけ。

その時、家の中で皆の写真をとってみたら、変なものが映っちゃったのよ。

背後の押入れから見知らぬ真っ白い顔して真っ赤な目の女が顔を出して、こっち睨みつけてんの。

これやべーじゃんってことで、霊能者に写真を鑑定してもらった。

そしたら、「この写真からは霊気を感じない。心霊写真でも何でもないよ。」だとさ。

あ~あ、ビックリさせやがって全く。

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4.肖像画

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ある日僕は学校の美術室の掃除当番だった。

早く終わらせて帰ろうと思い急いでいたら

一枚の絵が大事そうに飾られているのを見つけた。

その絵はとても綺麗な女の人の肖像画だったが、少し不気味で目に特徴があった。

とても大きな瞳でこっちをみている気がした。

なんだか怖くなり急いで掃除を終わらせ帰った。

次の日学校は大騒ぎになっていた。例の美術室の絵が盗まれたのだ。

最後に絵を見たということで僕は美術の先生にいろいろ聞かれた。

「なるほど掃除をしてた時にはちゃんとあったんだね」

「間違いないです、あの絵は高価なものなんですか?」

「あれは 『眠りに落ちた美女』といって私の知人の画家が自分の娘

の寝顔を見て描いたものなんだ 、特に価値はない

最も画家も娘ももうこの世にいないけどね」

「そうなんですか・・・」

あの絵は結局見つからなかった。

不思議なことに泥棒が入った痕跡はなかったらしい。

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5.クローバー

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最近、近所で連続殺人事件が起きている。

被害者は全て同じ小学校の子供。

その犯行はとても残虐で、死体は見るに耐えないカタチになっているという。

事件現場に供えられた沢山の花。しかし、その中にクローバーが大量に供えてある。

他の現場でも、必ずクローバーが大量に供えられている。

どうやら、あるお婆さんが供えているらしい。

歳は80といったところだろうか。とても温厚そうなお婆さん。

涙は見せず、優しい笑顔で花を供え、手を合せて帰っていく。

お孫さんなのだろうか。知り合いの子供さんなのだろうか。

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私も花を供えにと思い現場へ向かうと、ちょうどそのお婆さんと会った。

お婆さんはいつものようにクローバーを供えている。

「何故クローバーを供えているんですか?」

「クローバーって、四葉とかあったりして幸せな花じゃない?

 向こうでも幸せにしてほしいって意味を込めてるのよ」

そう答えるお婆さんは、とても優しい目をしていたが、時折切ない表情も垣間見えた。

「実はね、私の孫も亡くなってしまったのよ。別の事件なんだけど、学校の事故で。

 詳しい事はまだわかっていないらしいんだけどね。

 この殺人事件で亡くなった子達、孫ととても仲良くしてくれてたらしいのよ。

 だからこうして、全員にクローバーを供えているの」

涙しながらそう話すと、お婆さんはその場を去っていった。

こんな優しいお婆さんもいるんだな、という思いにふけりながら帰宅した。

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last.妹

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・12/15

さて、何を書くものか。

誰かに見せるわけでもないが、何となく最初は自己紹介。

両親を墜落事故で亡くした俺は去年から妹と二人暮らし…だったのだが、

その妹は今年の春から留学中。

帰ってくるのは3月だ。

というわけで今年の冬は一人で生活。

暇だから日記でも書いてみる。

ちなみにこれは妹が去年のクリスマスにくれたノート。

ツリーの絵が描いてある。

ん…意外と書くこと無いな。

今日はもう寝ることにする。

妹、おやすみ。

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・12/16

ペンは持ってみたものの書くことが無い。

妹との思い出を書こうとしても、なかなか手が動かない。

本当に俺って妹がいないと何もできないんだな。

妹に会いたい。

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・12/17

今日は友達に合コンに誘われた。

なんでもクリスマスに合コンをやるらしい。

妹に言ったら怒るだろうか?

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・12/18

ふと俺を叱る妹の顔が頭に浮かんだ。

「もう、お兄ちゃんったら!しっかりしてよね!」

ってまた言って欲しい。

絶対に言ってくれないけど。

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・12/20

妹に去年のクリスマスにあげたプレゼント。今は俺が大事に使ってます。

そういえば今年は妹にプレゼント買わないからお金が結構あまってるな。

はぁ…妹に会いたい。

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・12/21

妹に会いたい。正月には帰って来ないらしいから会うのは3ヶ月以上先か。

お金たまったしアメリカ行きてぇなぁ。

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・12/22

妹に会いたい。

妹に会いたい。

妹に会いたい。

妹に会いたい。

妹に会いたい。

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・12/23

妹から電話が来た!!! 送り主不明の人からクリスマスプレゼントが届いたって驚いてた(笑)

サプライズとかお兄ちゃんさすが。

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・12/24

決めた!おにいちゃん妹のところに行きます!俺、妹がいないと無理だ。ということでこれが最後の日記です。それでは!

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・12/25

メリークリスマス!妹から電話が来た。クリスマスパーティをやったんだそうだ。そして妹は急遽、日本に帰宅するらしい。

あやうく俺がアメリカに行くところだった。

妹はお年玉がそんなに欲しいのか?(笑)それとも俺に会

いたくなったか?

かわいいやつだ。お年玉たくさん用意して待ってるからな。

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・12/27

…信じられないことがおきた。日本に向かう飛行機が墜落したそうだ。

死体が握り締めていた俺からのプレゼントの財布の中身で身元が判明したらしい。

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二日おきに書いてきた日記も今日で最後にする。

ページはまだ残っているから悲しみから立ち直ることができたら、来年の12月に妹との想い出でもつづろうと思います。

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