今日から俺はこのアパートの一室でひとり暮らしを始める。
広いし、わりと新しいし家賃も安い。これからの大学生活が楽しみだ。
入学式は5日後、今日はゆっくりしていられる。
shake
ベッドに寝転がると、ズボンのポケットに振動を感じた。
「あたらしいえはどう」
スマホを買ったばかりの母からメールがきた。
「新しい家はどう?」とでも送りたかったのだろう。
すぐに返信しようとしたが、ふと部屋の写真を送ってやろうと思い立った。
ベッドから起き上がり、スマホのカメラを起動させて居間全体を見渡せる位地に移動した。
しかし妙なことに、画面に小さな黄色い枠が3つも映っている。カメラの顔認識機能だ。
当然俺のほかには誰もいない。
薄気味悪いので後ろの台所を撮ろうと振り返る。
画面を見るとそこには一際大きな枠が広がっていた。
作者千月
またしばらく期間が空いてしまい申し訳ありませんでした。
おかげさまで第一志望の大学に合格することができました。これからはお話を書く時間もできると思います。
今回は、大学付近のアパートの情報を見ていたときに思い付いたお話をひとつ。