短編2
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正夢

人は正夢を見る

正夢と言っても色んなもの

友達と学校で喧嘩するとか

仕事で上司に怒られるとか

息子の嫁に老人ホームに入れられるとか

正夢のほとんどは悪いものだ

なら見ない方がましだと思う

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人間の中には時々変わったのがいる

「明日のことを予測できる夢を見る者」だ

神のいたずらなのか、その夢は本当に恐ろしい

普通はそれを良いこと、と考えるだろう

だが、予測は再三言うが決して良いことばかりではない

良いことなんてむしろないのだ

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こんな夢を見た

私は走っている

そこは暗い森だった

辺りは真っ暗でなにも見えない

月が私の目には見えない

だが私は走る、走らねばならぬ

「もうだめだ、死のう」

私の横で誰かがいった

私は横を見た、男が一人いた

「私も…」「ぼくも…」

私以外の人は全員言葉を吐いた

そして皆で木に吊るしてあるロープで首を吊り始めた

私は叫んだ、叫びながら走った

早くこの森を出なければ

彼らの中にはまだ幼いものもいる

ダメだ、振り向くな

目の端にドサッと幹と一緒に落ちるものもいる

早く、早く、走れ、走らねば

そのあともがいて尚死ねないと嘆くものもいる

たくさんの大木にたくさんの人が吊られていた

そこで私は目を覚ました

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目を覚ますと、テレビが速報を続けていた

「熊本大地震」とそこには書かれていた

私はすぐにテレビを消そうとした

何故か

私は死者数を知っているからだ

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こんな夢を見た

夏に田舎を訪れ、一族団らんの休暇を過ごした

私はスイカ割りをし、打ち上げ花火もし

清清しい夏休みだった

「こんにちは」

炎天下で夏に似合わない女性が日傘をさして私に声をかけた

私はこの女性を知らない

「こんにちは」

私も挨拶する

その女性は細く笑うと

「すぐ会えるよ、また来てね」と言った

また来てね………

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9月3日の朝、目を覚ました

田舎の夢を見る日は現実世界に疲れている日である

私はスマホを見て一通のメールを開いた

「田舎の姉さんが死んだ」

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ほら、よくないことばかりだ

イチタカニタカサンナスビとか

あんな見る人本当にいるのかね

かくゆう私は毎日こんな調子だ

もはやニュースは答え合わせ占いのようで

もう毎日寝起きが悪いし辛いし

夢か現実かが分からない

正夢なんて、良くない良くない

怖いですよ、幽霊と一緒です、見ない方が幸せ

予知夢もそうですが、普通の夢が一番です

あ、いい忘れましたが

上の話は全部実話なんで、ではまた

Concrete
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@はと
こんばんは。初めましてKです。
読んでいただきありがとうございました。
文才はありませんが今回の話は実話なのであえて脚色をしませんでした。スピード感があるとは初めて言われました。ありがとうございます。
まだなれていませんが宜しくお願いします。

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