いつものようにコップ一杯の水を飲みほす。
「父さんは?」
「今日は仕事で遅くなるって」
「そう。じゃあ俺もう寝るよ。おやすみ、母さん」
「おやすみなさい」
いつものように母さんにおやすみを言ってリビングを出る。
いつものように廊下で俺が出てくるのを待っていた飼い猫を抱き上げる。
「おやすみ、シロ」
「ミャー」
いつものようにシロをおろし、廊下の電気を消す。
いつものように寝室を通り過ぎ、仏間に入り、奥の床の間の襖を少し開ける。
「こんばんは。おやすみなさい」
いつものように軽く会釈してから襖を閉め、仏間を出て寝室に戻る。
いつものようにスマホを充電器にさす。
いつものように電気を消して布団に入る。
いつものように眠りに落ちる。
これが何年も続いている俺の習慣。
作者千月
今回は普段気にしていない習慣のお話。
日々のルーティーンになっている食事、歯磨き、着替え。一度冷静になって自分の生活を意識してみてください。慣れすぎて気づかないだけで何かおかしなことをしていた…なんてこと、あなたはありませんか?